エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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新着雑誌です(2017.7.18)

 

今週の新着雑誌です。

新着雑誌の最新号は貸出できません。

労務事情 No1344 2017.7.15 (201112174)

労政時報 3933号 2017.7.14 (201292687)

賃金事情 No2743 2017.7.5 (201292711)

人事実務 No1174 2017.7.1 (201292653)

賃金事情 No2743 2017.7.5 (201292711)

労働経済判例速報 No2312 2017.7.10 (201292513)

労働基準広報 No1929 2017.7.11 (201292547)

旬刊福利厚生 No2227 2017.7.11 (201292570)

 

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「炭鉱の記憶と関西 三池炭鉱閉山20年展」関西大学博物館 終了!

 

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「炭鉱の記憶と関西 三池炭鉱閉山20年展」2017年度関西大学博物館夏季企画展(2017.6.6-2017.6.30)が無事終了しました。

来場者は1251名、関西以外からも多数ご来場いただいたようです。

ご来場いただいた方々、展示に際しご協力いただいた方々、各機関に御礼申し上げます。

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『女工哀史』と猪名川 ― 名著は兵庫県で書かれた(4)(最終回)

  少し間が空いてしまいましたが、いよいよ連載最終回です。

 

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 『女工哀史』の中では、猪名川染織所の話は少なくありません。ちょっと引用してみましょう。大正一二年(一九二三)一〇月兵庫県で行われた「労働調査」の実態を暴露したものです。

 大正十二年十月には兵庫県、翌十三年十月には全国各府県で「労働調査」といふものを執行したが、そんなたわいもないことで労働界の精しい実情が調べられると思ふ、お役人様の、ノホヽンさ加減が嗤ひたい。有名な実業家でフランスの平和会議にまで日本を代表して行った喜多又蔵氏の経営にかゝる兵庫県猪名川染織所に於いて、此の細井和喜蔵がどう調査されたかを一寸お話しよう。

 抑も小生を調査すべく兵庫県から任命されたものが色染部阪倉主任といふ工場の支配階級であって、原籍と現住所と学歴を訊いた以外のことは、皆な彼れが勝手にペンを走らせて認めて了つた。こんな調子で五百人程の男女工は悉く工場監督によつていゝ加減な出鱈目、それも資本家にとつて都合のいゝように作つた用紙で報告されて了つたのであつた。(岩波文庫版二一九ページ)

 

 この文章でも大正一二年一〇月には、多田村に来ていることが明らかにされています。彼の文章がまさに現実を踏まえていることがこんなところにも示されているのです。川西の近代史を知るためには、今後この工場に関する『女工哀史』の記述は特別の注意を以て研究しなければならないでしょう。また、従業員が五〇〇人もいたという大きな工場でありながら、歴史資料の調査ができていなかったという事実も残念の極みです。

 ところで、この工場について、幸いなことに昭和九年(一九三四)にこの工場の近くで生まれ、現在も少し離れたところで暮らしておられる滝花恒良氏のお話を聞くことができました。それによりますと、猪名川染織所の住所とされた多田村字新田下川原と、笹部・西村両氏の経営する友禅流し工場の住所=多田院順松とは隣り合った場所で、一つながりとなっているとのこと。ちょっと前まであったニチカン川西工場からベリタス病院のあるあたり。氏の記憶ではすでに猪名川染織所はなく、大日本繊維の麻工場と友禅工場であること。麻工場は規模が大きく、たくさんの女工さんが働いていたこと。その女工さんは地元の方はほとんどいなく、多くは滋賀県方面からこられていたこと。社宅や寮、夫婦者には家族寮があったこと。盆踊りの時には近くの住民も遊びに行ったこと。工場は大きな木材でできていたこと。道路に面して多田神社の参詣者や、この工場の従業員などを相手にした商店も並んでいたこと。昭和二〇年(一九四五)には米軍のP51戦闘機の銃撃を受け、工場も焼けたこと。以上のようなことをお話していただきまた。

 なお、同氏は、戦時中上流で木をどんどん伐ったために、水がたくさん出るようになり、多田では川幅が広がり、戦後の水害で工場も流されたのを見たとも語られました。多田の大日本麻工場への空襲については、『市史』第三巻三七六ページにも記載があります。ただし、『市史』第三巻では多田の空襲について「新田字深山」「新田字下川原」そして日本麻工業(戦後日本繊維工業と改称)の三件が別々の攻撃のごとくに並べられています。これは、あるいは日本麻工業という軍需工場一つをターゲットにしたものだったのかもしれません。

 猪名川の流れがその沿川に暮らす人の心に深い感慨を催していたことは、古代の万葉集の歌もさることながら、近代に入っては、明治末から戦前・戦中期にかけて作家として活躍した上司小剣(★かみづかさしょうけん)の例もあります。上司小剣多田神社宮司の家に明治七年(一八七四)に生まれ、明治三〇年(一八九七)までをそこで過ごした人物です。彼が物した、たとえば『石合戦』は、猪名川の風景を舞台に、維新後の村の人々の階層や年齢等による意識の違いが物語を重層的に展開させる様子がヴィヴィッドに描かれています。川西市史編集室が編集し、川西市役所が発行した『川西史話』(一九八一)には、小山仁示氏による味わい深い文章が掲載されています(上司小剣の文学と多田)。また、吉田悦司『上司小剣論』(翰林書房、二〇〇八年)、大塚子悠『星ひとつ―小剣さんを歩く』(信樹舎、二〇〇六年)があります。(小田 康徳)

<小田康徳>
1946年生まれ。大阪電気通信大学名誉教授。NPO法人旧真田山陸軍墓地とその保存を考える会理事長。あおぞら財団付属西淀川・公害と環境資料館館長。主な著作は『近代日本の公害問題―史的形成過程の研究』・『歴史に灯りを』など。『新修池田市史』など自治体史にも多数関係している。川西市在住。

新着雑誌です(2017.7.7)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち、最新のものは貸出できません。

労務事情 No1343 2017.7.1 (201294592)

労働経済判例速報 2310号 2017.6.20 (201294626)

労働経済判例速報 2311号 2017.6.30 (201294568)

労働基準広報 No1928 2017.7.1 (201294428)

労働法学研究会報 No2648 2017.7.1 (201294451)

旬刊福利厚生 No2226 2017.6.27 (201294485)

労働法令通信 No2455 2017.6.18 (201294600)

労働法令通信 No2456 2017.6.28 (201294519)

労働法令通信 No2457 2017.7.8 (201294543)

賃金と社会保障 1684号 2017.6.25 (201294576)

 

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『生産性向上の理論と実践』

(梶浦昭友 編著/2016年3月30日/A5版 本文224頁)

 当館の理事長・山﨑弦一も筆者のひとり。

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 本書は、関西学院大学産業研究所が日本生産性本部からの委託研究「生産性向上と雇用問題」(2009~2010年)を受けた後、共同研究「生産性の現代的意義」(2012~2015年度)を行いその成果を1冊の本にまとめたものである。

 本書の第I部(第1~8章)は生産性についての理論や歴史が書かれ、第II部(第9~14章)は企業や企業内組合における生産性向上の実践例が、その当事者自身によって取り上げられている。

 本書の理論的観点は、おもに第1章で書かれている。その第1は、生産性向上運動を受け継いでいることだ。とりわけ、「生産性の3原則(1.雇用の維持・拡大、2.労使協議、3.成果の公正分配)」は他の章でも随所で強調されている。
 第2の観点は、これ自身、生産性向上運動の一環でもあるが、「人本主義経営」を名乗っていることだ。一般の資本主義経営の観点は、投資家が資本を提供しこの資本で土地・建物・機械などの固定資本、原料、労働力を買い、製品を作り、それを売って利益を得るというものであり、固定資本・原料・労働力を可能な限り切り詰め、利益の極大化を図るものである。それに対し、「人本主義経営」の観点は、資本とともに労働も経営の主役とみなし、利益とともに賃金も増やそうとする。
 第3の観点は、「付加価値」である。「人本主義経営」においては、「付加価値」= 利益 + 賃金 となる。
 第4は、生産性経営論(人本主義経営論)である。これは、両端に資本Kと利益Rを置く資本の軸と、両端に労働Lと賃金Wを置く労働の軸を設定し、真ん中の軸として、資本と労働の合流による生産O、それに価格Pを掛けた売上高OP、OPからコスト(一般の資本主義経営論では賃金もコストだが、人本主義経営論ではコストに含まない)を引いた付加価値Vを置き、最後に付加価値Vを利益Rと賃金Wに分割する。このように3つの軸と2つのループを設定することで経営分析を進めていくものである。

 K←←←←←←←←R
 ↓        ↑
 O×P=OP-C=V
 ↑        ↓
 L←←←←←←←←W

 第5の観点は、物的生産性と価値生産性とである。物的生産性とは、たとえば機械1台あたりの生産量(物的資本生産性)や労働者1人あたりの生産量(物的労働生産性)などを指す。他方、労働者1人あたりの売上高などは価値生産性である。本書では、造ったものが全て売れていく時代ならば物的生産性を上げるだけで良かったが、今では価値生産性が重要になっていると主張している。
 第6に、生産性向上の方法を分析するために、生産性向上の公式を掲げている。それは、次のようなものである。

 生産性 = 資本集約度 × 資本回転率 × 付加価値率

V(付加価値)/L(労働者数) = K(資本)/L(労働者数) × OP(売上高)/K(資本) × V(付加価値)/OP(売上高)

OP(売上高)/L(労働者数)

1人当たり売上高

 この式から、生産性を上げるためには、資本集約度を上げるか、資本回転率を上げるか、付加価値率を上げるかの3つの方法しかないことがわかる。ただし、具体的方策となると多様であるのだが。

 本書第2章では、生産性運動の過去・現在・未来が叙述されている。1952年のメーデー事件、破防法反対スト、3か月におよぶ電産スト、炭労スト、1953年の日産化学ストなど大規模な闘いに直面し日本資本主義は危機的状態にあったこと、それに対し、西ドイツの組合は政治闘争をやめ、労働組合の経営参加という枠組みの元で経済主義に一変したことなどが、訪欧査察により明らかになったこと、それをきっかけに財界団体が生産性機関設置へと動き始めたことなどが述べられている。
 第3章では5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)など、より具体的な生産性向上運動について述べられ、第4・5章では生産性の構成要素や成果の配分について、6章では労働生産性と賃金率との関係、7章では非正規雇用者が企業に与える影響、8章では研究開発投資と生産性との実証分析がなされている。

 これに対し、第II部(第9~14章)では、各企業の自己紹介の趣が強く、また同じく「生産性向上への取組み」と言ってもそれぞれ個性的である。そこで、第14章(パナソニックグループ労働組合連合会。この章の著者は大阪社会運動協会の理事長である)から二つの取組み事例を取り上げ、代表として紹介したい。
 一つはワークライフバランスの取組みであり、個人に対しては“気づき”を与えつつさまざまなニーズを持った個人をつないでいき、社会に対しては政策・制度の取組みや地域活動を推進していき、企業に対しては労働条件や各種制度改善に向けた取組みを展開している。
 もう一つは技術者活性化フォーラムの取組みである。技術者の活性化のため、労働組合としてこれまで3回のフォーラムを実施してきた。

 この他の実例としては、新日鐵住金ダイキン工業スーパーホテル大阪ガス田辺三菱製薬労働組合が紹介されている。(ボランティアN)

新着雑誌です(2017.6.29)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新号は閲覧のみです。貸出できません。

労政時報 3932号 2017.6.23 (201294378)

労務事情 No1342 2017.6.15 (201292505)

賃金事情 No2742 2017.6.20 (201294360)

労働判例 No1155 2017.6.15 (201294394)

労働法学研究会報 No2647 2017.6.15 (201294196)

労働情報 No956 2017.4.1 (201292703)

月刊人事労務 340号 2017.5.25 (201294220)

旬刊福利厚生 No2219 2017.3.14 (201294287)

旬刊福利厚生 No2225 2017.6.13 (201294253)

賃金と社会保障 1682号 2017.5.25 (201294311)

賃金と社会保障 1683号 2017.6.10 (201294345)

労働法律旬報 1889号 2017.6.10 (201294402)

労働法律旬報 1890号 2017.6.25 (201294410)

労働基準広報 No1927 2017.6.21 (201294444)

地域と労働運動 199 2017.3.25 (201294477)

地域と労働運動 200 2017.4.25 (201294501)

地域と労働運動 201 2017.5.25 (201294535)

 

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「炭鉱の記憶と関西」展の関係者が語る

ただいま関西大学博物館で巡回展開催中の「炭鉱の記憶と関西」展関連情報です。

本展の企画を担い、コレクションの中心となった前川さんのインタビュー記事が「西日本新聞」に掲載されました。↓

 連載第2回は同じく本展の実行委員、上田茂さんのインタビュー記事です。

 

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