エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

新着雑誌です(2017.11.30)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち、最新号は貸出できません。

労政時報 3941号 2017.11.24 (201309887)

労働経済判例速報 2324号 2017.11.10 (201309853)

労働経済判例速報 2325号 2017.11.20 (201309820)

賃金と社会保障 1693号 2017.11.10 (201309911)

労働法律旬報 No1900 2017.11.25 (201309945)

労働判例 No1164 2017.11.15 (201309994)

労働情報 No957 2017.5.1 (201309812)

労働情報 No958 2017.6.1 (201309846)

労働情報 No959 2017.7.1 (201309879)

労働情報 No960 2017.8.1 (201309903)

労働情報 No961 2017.9.1 (201309937)

 

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研修の秋

 秋は各種団体の総会・研修会や学会が開催される季節です。エル・ライブラリーは極めて予算の少ない図書館なので、公費出張というのはほぼないのですが、年に最低1回は常勤スタッフ全員(約2名)が自腹を切らなくて済むようにしております(目標が低い(;^_^A)。

 して、今月は、館長谷合もあちこちと出かけてまいりました。

 まずは11月8日(水)、横浜で開催された図書館総合展へ。3日にわたって開催される図書館界最大のイベントですが、今年は2日目だけ参加してきました。この総合展では多くのフォーラム(講演会)と、企業ブース、各種団体ブースが出て、最新情報を交換し合い、また商談の場となります。

 自動代替テキストはありません。

 

 まずは午前中、わたしは「図書館キャラクター・グランプリ」の司会をおおせつかり、一杯飲みながらやってもいいという主催者のご厚情により、特別に差し入れしてもらった日本酒をおちょこ三杯だけ飲みながら見事に任務を終えました(上の写真は図書館総合展公式Facebookより)。

画像に含まれている可能性があるもの:1人、座ってる、テーブル、室内

 ↑の写真は、さすらいの学校図書館員山本みづほさん(左)と一緒にボケとツッコミをかましながら司会する谷合(右)。二人ともかわいく猫耳を着けています(写真撮影・宮澤優子さん)。

 ちなみに、図書館のゆるキャラはたくさんあり、今回のプレゼンが行われ、そのプレゼンも相当に手が込んでいて、パワーポイントのお手本のようなものが目白押しでした。

 午後からはLibrary of the Year 2017の最終選考会へ。わたしは去年から引き続き選考委員を務め、最後の審査を会場からドキドキしながら、楽しみながら拝見していました。大賞は見事、「瀬戸内市民図書館もみわ広場」が受賞されました。おめでとうございます! 思えば去年、当エル・ライブラリーも優秀賞をいただいたのでありました。去年は決戦投票での大賞受賞館は完全に票が割れたのですが、今年は瀬戸内市民図書館の圧勝でした。

 そして夜は大交流会に参加していろいろ景品もいただき、翌日は朝から相模原市に移動して全史料協(全国歴史資料保存利用機関連絡協議会)の総会に参加しました(11月9、10日)。

 今年は相模原市の博物館と公文書館を見学し、研修会では「市民協働によるデータベース構築―尼崎市の事例から」 などを拝聴しました。

 下は、博物館の入り口に鎮座する小惑星探査機「はやぶさ」の模型です。天井高ぎりぎりに設置されていて、さぞや運搬業者さん泣かせだったんだろうと想像がつきます。

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 研修会場ではポスターセッションに参加し、当館のポスターを貼付して、来場される方々に「炭鉱の記憶と関西 三池炭鉱閉山20年展」のパンフレットを配布しました。

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 そして21日と22日は愛知県で開催された労働資料協(社会・労働関係資料センター連絡協議会)の総会・研修会へ。わたしは労働資料協の事務局長を仰せつかっているので、この準備のために忙しくしておりましたが、無事に終了しました。

 11月21日(火)は名古屋市にある愛知県図書館を総会会場にお借りして、県図書館の県内ネットワークを活かした取り組みを拝見し、翌日は名古屋駅前のウィンク愛知(愛知県産業労働センター)に研修会場を移して、情報コーナーの見学と、愛知県労働会館の図書室が閉鎖され、資料が移管された状況などの経過を学びました。その後は職業適性検査を受けて、参加者全員が自分の適性について改めて知ることができました。

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 上の写真は愛知県図書館の展示「社史つまみぐい展」。食品会社の製品が所狭しと並んでいます。

 下の写真はウィンク愛知の労働情報コーナーの一角です。ここでは県の労働相談や国のハローワークとの連携で就労支援事業が一体的におこなわれています。

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 午後からは「四日市公害と環境未来館」に移動しました。ここは市立博物館(平成5年開館)に併設する形で、平成27年3月21日にオープンしました。その際つくられた市立博物館&プラネタリウム+当館の総称を「そらんぽ四日市」といい、“そら”は、青空を取り戻した四日市、博物館常設展の「時空街道」、プラネタリウムの「宇宙」(そら)をイメージしています。

 小池学芸員の説明では、「“さんぽ”は、散歩をするように3施設を巡って、学んでいただくことをイメージしています」とのこと。

歴史博物館の展示が現代の公害問題とそれを克服して未来へ向かう四日市の姿へと、シームレスにつながっていくように工夫されています。

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 駆け足で今月の研修を報告しました。たくさんの写真を撮ってきましたが、とても全部は紹介しきれません。多くの人々との交流で当館のサポーターも増えました。日常業務に学びをフィードバックしていくことで、労働専門資料館としての役目を果たしていきたいと思います。(谷合佳代子)

当館資料を使った研究論文を紹介

 当館の資料を活用した研究論文はいろんな方に書いていただいており、しばしばその成果を抜き刷りなどの形で頂戴しています。
 資料を活用してもらえるのが、司書のなによりの喜びです。そして今般もまた、一橋大学院生さんから成果報告をいただきました。f:id:l-library:20171130164253j:plain

大原社会問題研究所雑誌』709号(2017年11月号)所収論文である、

長島祐基さんの

「平和擁護運動における討論集会の形成(1952-1953年)
 ――特定のレパートリーに対する多様な主体間の意味づけの一致に着目して」
が、その論文です。
 国際平和会議の役割と、特定のレパートリーに対する人々の意味づけの一致に着目することで、動員を通じた討論集会の開催という、戦後平和運動における公共空間の形成過程と、形成された公共空間の可能性と限界を明らかにするものです。

 さまざまなアーカイブ機関が所蔵する一次資料を活用して書かれた本論では、当館の資料も活用していただきました。

 なお、『大原社会問題研究所雑誌』は当館でバックナンバーを含めて全号を所蔵していますので、ぜひご利用ください。(谷合)

新着雑誌です(2017.11.22)

 今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。

賃金事情 No2751 2017.11.20 (201309929)

労務事情 No1351 2017.11.15 (201309895)

ビジネスガイド No847 2017.12.10 (201309861)

労働基準広報 No1942 2017.11.21 (201309838)

労働法律旬報 1899号 2017.11.10 (201309788)

労働法令通信 No2468 2017.11.8 (201309952)

労働法令通信 No2469 2017.11.18 (201309986)

職場の人権 100号 2017.9.20 (201309556)

地域と労働運動 202号 2017.7.25 (201309697)

地域と労働運動 205号 2017.9.25 (201309721)

地域と労働運動 206号 2017.10.25 (201309754)

季刊労働者の権利 Vol319 2017.4.25 (201309739)

季刊労働者の権利 Vol320 2017.7.25 (201309762)

季刊労働者の権利 Vol321 2017.10.20 (201309770)

 

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新着雑誌です(2017.11.15)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。

労政時報 3940号 2017.11.10 (201298510)

賃金事情 No2750 2017.11.5 (201298650)

労務事情 No1350 2017.11.1 (201298536)

企業と人材 No1057 2017.11.5 (201298593)

人事実務 No1178 2017.11.1 (201298627)

月刊人事マネジメント 323号 2017.11.5 (201298684)

月刊人事実務 344号 2017.9.25 (201298718)

労働経済判例速報 2321号 2017.10.10 (201298676)

労働経済判例速報 2322号 2017.10.20 (201298700)

労働経済判例速報 2323号 2017.10.30 (201298502)

労働判例 No1163 2017.11.1 (201298569)

労働法学研究会報 No2656 2017.11.1 (201298544)

旬刊福利厚生 No2232 2017.9.26 (201298577)

旬刊福利厚生 No2233 2017.10.10 (201298601)

旬刊福利厚生 No2234 2017.10.24 (201298635)

賃金と社会保障 1692号 2017.10.25 (20129668)

労働法令通信 No2467 2017.10.28 (201298692)

労働基準広報 No1941 2017.11.11 (201298726)

 

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デジタルアーカイブ講演会

※下記イベントは満員となりましたので、申し込みを締め切りました。

エル・ライブラリーとデジタルアーカイブ学会の共催イベントをご案内します。どなたでもご参加いただけます。 

デジタルアーカイブ学会関西支部第1回例会

『女・オルグ記』

『女・オルグ記 ~女性の自律と労働組合運動のすそ野を広げて』伍賀偕子著(ドメス出版/2016)

 「伍賀偕子 女オルグ」の画像検索結果

  上梓してから1年以上たつ自著の紹介をさせていただきたい。

 本書は、総評*1の「主婦の会オルグ」が、「女性の自律と労働組合運動のすそ野を広げる役割」を担った歩みを、7名のオルグ聞き書きを中心に掘り起こしている。

 総評が1956年に創設した「オルグ制度」は「総評運動の歴史的財産」と評価されており、組合員一人年間3円の資金拠出によって全国90名の「中小企業対策オルグ」が配置され、組織化の任務に専念した。1959年には「主婦対策オルグ」「青年婦人対策オルグ」が新たに配置された(登場する7名の「主婦の会オルグ」全員が「婦人対策」を兼務)。

 1960年、総評は総評組合員の家族(主として配偶者)を対象に「総評主婦の会」を結成し、その組織化と活動を切り拓く任務として、「主婦対策オルグ」を配置した。主婦会や家族会は、それまでに三池闘争や日本製鋼室蘭王子製紙争議などの長期争議を労働組合と共に闘いぬいたいくつもの先進例があったが、総評が全国的にまとめて、「労働組合運動と国民的共闘の結節点=結び目」として位置づけて、「総評主婦の会全国協議会」を結成したのだった。

 総評主婦の会のスタートは、「合理化に反対し、お父さんのいのちを守る」「家計簿の赤字から春闘を支援する」のスローガンに見られるように、あくまで労働組合の支援であり、いわば労働組合の「補助組織」的な位置であったが、主婦たちが家計の赤字を埋める内職やパートに従事する中で、「働く主婦」としての自らの要求、「当事者自身」の要求を自己主張する運動体へと転化していった。「内職」というインフォーマル・セクターの問題点を可視化して社会問題化させ、「家内労働法」を制定させ、家内労働行政を労働省(当時)と都道府県に確立させていった。その発展過程は総評主婦の会主催の「内職パート大会」のあゆみとして、本書2章で検証している。

 総評主婦の会の存立基盤は、あくまで「男性稼ぎ手モデル」のシステムにおける性別分業を前提にした「主婦」という立場であった。しかし、上記の運動過程で、第二次フェミニズムの高揚や国連婦人の十年運動の影響も受けて、第14回内職・パート大会(1978年)では、「男女平等と労働権確立」を掲げるに至ったのである。

 さらに、日常の暮らしのさまざまなひずみや矛盾に対して、そして、子どもたちをめぐる環境の改善など、地道に地域で活動するなかで、政治の仕組みや諸矛盾・理不尽さを生活者の視点から追及し、自らの生き方を追求する女性として自己変革していく過程を歩んだ。その過程に、主婦の会オルグがぴったりと寄り添って、会員のエンパワーメントを共有すると共に、オルグ自身も学び、自己変革をとげていった。職業としてのオルガナイザーとは言え、最初から訓練されていたわけではなく、その多くは、主婦の会運動で共に学びあうなかで生み出された仲間であった。

 それらの過程は、運動領域としては、食管制度を守る運動であり、公共料金・諸物価値上げ反対運動であり、子どものしあわせと民主教育をすすめる運動であり、きれいな水といのちを守る合成洗剤追放運動であり、平和と民主主義を実現していく運動の一環としての選挙闘争等々、まさに、総評が主婦の会に求めた「労働組合運動と国民的共闘の結節点=結び目」、いわば、総評運動のすそ野を広げる役割を担ったと言える。

 表紙の袖に、竹中恵美子・大阪市大名誉教授と篠田徹・早稲田大学教授のお二人が過分な「推薦のことば」寄せてくださっている。

 竹中氏は― 総評解散から四半世紀を経たいま、一般性豊かな総評遺産の規定がされてきた。しかしこれらいずれの論文にも、「総評主婦の会」や「婦人部運動」についての言及のないことに気付く。・・(略)・・労働運動フェミニズムの立場に立って、・・(略)・・新たな開拓分野にメスを入れた意欲溢れる書である― と述べられている。

 篠田氏は― 総評労働運動は、職場から街頭まで、政治経済から社会文化まで、戦後民主主義のすそ野を広げた。では家庭や家族にはどうだったか。総評についての数多の記録のなかで、ここはなお暗がりだ。本書はそこに光を当てた。この一筋の光が、これから総評や労働運動のみならず、日本の戦後を作った女たちを明るみに導く― と推薦されている。

 現在の労働運動において、低賃金で不安定な非正規労働者が圧倒的に増え、家族も構成できない厳しい状況下で、労働者の家族を組織した歴史がどれほどの意味をもつのかは、いささか懐疑的にはなるのだが、「国民的共闘の結節点」を追求した総評運動の軌跡から、「社会的労働運動」をめざす視点を探りたいというのが、筆者の願いである。

(伍賀偕子〈ごか・ともこ〉:元「関西女の労働問題研究会」代表。元総評大阪地評オルグ

*1:日本労働組合総評議会」の略称で、1950年7月に結成された労働組合ナショナルセンター。1989年解散