寄贈本紹介

漱石の個人主義 ~ 自我、女、朝鮮

関口すみ子(海鳴社/2017/四六判310頁) 著者は、元法政大学法学部教授で、思想史、ジェンダー史が専門。 著書も、『御一新とジェンダー』(東京大学出版会/2005年)、『管野スガ再考』(白澤社/2014年)、『近代日本 公娼制の政治過程』(白澤社/2016…

『岐路から未来へ』

(共同通信社 編/2015年8月31日 柘植書房新社 発行/四六判270頁) 本書は、2014年の1年間、週1回で計50回配信された同名の連載を1冊の本にまとめたものだ。「まえがき」では以下のように記されている。東日本大震災について「もし、人知を超える自然…

『労働史からみた同一労働差別賃金―その変遷と問題点』

柳田勘次著(兵庫県労働史研究会/2017年4月/A5判130頁) 著者は1931年生まれで、労働運動現役時代の1960年代から70年代には、総評全国金属兵庫地本書記長ならびに委員長を務めながら、多くの研究論文や著書を著しており、その問題意識の鮮明さが伝わる書で…

『生産性向上の理論と実践』

(梶浦昭友 編著/2016年3月30日/A5版 本文224頁) 当館の理事長・山﨑弦一も筆者のひとり。 本書は、関西学院大学産業研究所が日本生産性本部からの委託研究「生産性向上と雇用問題」(2009~2010年)を受けた後、共同研究「生産性の現代的意義」(2012…

『大阪安保50年史』

(安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会 発行/2016年3月26日/A5版 本文330p, 年表27p) 本書は、「安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会」と日本共産党の立場から、安保問題への取り組みや国政・地域での選挙などについて述べたものである。また、集会動…

『帝国ホテルに働くということ 帝国ホテル労働組合七〇年史』

奥井禮喜著(ミネルヴァ書房/2016年7月/四六判276頁)、別冊資料編あり 「帝国ホテル労働組合」は、1946年5月21日に誕生し、総評(日本労働組合総評議会)傘下、今は連合(日本労働組合総連合会)を構成する「サービス連合」傘下の、組合員1,744名(2015年…

『なぜユニオンをつくったのか』

長橋 淳美 著 (2016年3月1日/A5版 40頁) <第1章 ユニオン誕生> このパンフレットは、大阪府富田林市職員の少数派組合の「富田林市職員ユニオン」の代表を結成時の1996年3月から2008年まで務めた、長橋淳美さんの個人的著作である。著者は、ユニオ…

組合史・その残照と黎明

『組合史・その残照と黎明 -或る地方都市の自治体職員労働組合の分裂と組織統一までの道程 そして その中にいた わたしたちの時代』 星 光二 著(緑鯨社/2016年1月31日/A5版 P.387) 本書は、北海道釧路市における市職員労働組合の歴史のうち、著者が…

『「サークルの時代」を読む  戦後文化運動への招待』

宇野田尚哉・川口隆行・坂口博・鳥羽耕史・中谷いずみ・道場親信 編(影書房/2016年12月/A5判並製366頁) 1950年代、東アジアで朝鮮戦争はじめ再び“熱い戦争”が起きていた時代に、反戦・平和、抵抗と民主主義を模索する人びとの拠点として興った「サークル…

名取市における 東日本大震災の概要

『名取市における 東日本大震災の概要』名取市総務部震災記録室 編集(宮城県名取市/2015年3月/A4版 118p) 『東日本大震災 名取市の記録』名取市総務部震災記録室 編集(宮城県名取市/2014年10月/A4版 400p) (右の写真は本書とともに出版されたD…

『日本における社会改良主義の近現代像 ―生存への希求』

玉井金五・杉田菜穂著(法律文化社/2016年11月/A5判292頁) 本書は、人口・社会問題を軸に、戦前戦後における社会改良主義の学問的鉱脈を丁寧に探索して現代と対峙する、社会政策論の体系的な専門書である。11の章と2つの補章から構成されているが、それ…

『映像が語る「地方の時代」30年』

今回から寄贈本紹介の執筆スタッフが新たに加わりました。ボランティアのNさん(男性)です。図書館員の経験はないのですが、これまでもエル・ライブラリーで時々配架作業や目録整理作業を手伝っていただいておりました。ではNさん執筆の「寄贈本紹介」、第1…

『飾らず、偽らず、欺かず 管野須賀子と伊藤野枝』

田中伸尚著(岩波書店/2016年10月/四六判240頁) 「大逆事件」(1910−11年)で処刑された唯一の女性、管野須賀子(かんの・すがこ)。その約10年後、「甘粕事件」(1923年)で憲兵隊に虐殺された伊藤野枝(いとう・のえ)。女性を縛る社会道徳や政治権力と…

『中成長を模索する中国 ―「新常態」への政治と経済の揺らぎ』

大西 広 編著(慶應義塾大学出版会/2016年/A5判194頁) 本書は慶應義塾大学東アジア研究所の3年間にわたる研究プロジェクトの成果であり、大西 広編著者の他に、7名が執筆している。 本書の狙いは、安定した「中成長国」に向けて根本的な社会構造の転換…

LLブック わたしのかぞく−なにが起こるかな?

LLブック(やさしく読める本)制作グループ(藤澤和子、川崎千加、多賀谷津也子)編;長谷川朋也 写真 2015年4月 樹村房発行 27×19cm(横長本)1冊 LLブックの「LL(えるえる)」とはスウェーデン語で「やさしく読める」という意味の言葉の…

『日本で初めて労働組合をつくった男 評伝・城常太郎』

牧 民雄 (同時代社/2015年6月/A判322頁) 「日本で初めて労働組合をつくった男は?」と問われて、この人の名が浮かぶ人は極めて稀で、日本史の教科書では、高野房太郎と習った人が多いかも知れない。 本書の帯の紹介では、― アメリカ帰りの靴職人・城常太…

『情報貧国ニッポン〜課題と提言』

(図書館サポートフォーラムシリーズ) 山崎久道著 2015年5月 日外アソシエーツ発行 四六判 223頁 『情報貧国ニッポン』という刺激的な書名は、どういう問題意識や視点から出てきたのであろうか。「はじめにー何が問題かー」では次のように述べている。 本書…

「大阪砲兵工廠(ほうへいこうしょう)物語」

久保在久(すみひさ)[著] 『蔕(へた)文庫』59号(=2015年2月)より現在も連載中。(発行=蔕文庫舎/大阪府八尾市) 若い人には「大阪砲兵工廠」といっても、今は大阪城公園として整備されている所が、戦前日本最大級、アジア最大級の兵器工場であったことを…

マルクスエンゲルス全集オンライン版が利用可能に

このたび、株式会社大月書店様と株式会社寿限無様のご厚志と、NPO法人知的資源イニシアティブ様のご協力により、当館内で マルクス=エンゲルス全集のオンライン版が閲覧利用できるようになりました。 大月書店のWEBサイトで有料公開されている同書を、当館…

「繊維女性労働者の生活記録運動」

『繊維女性労働者の生活記録運動:1950年代サークル運動と若者たちの自己形成』 辻 智子著(北海道大学出版会/2015/A5判508頁) 本書は1950年代の生活記録運動と生活綴り方運動を、繊維女性労働者の生活記録運動と結びつけて展開する。東亜紡績泊工場(…

『日本における女性と経済学 1910年代の黎明期から現代へ』

栗田啓子・松野尾裕・生垣琴絵 編著(北海道大学出版会/2016/A5判338頁) 本書は、東京女子大学女性学研究所プロジェクト研究と日本学術振興会の助成を受けた共同研究の成果で、8名が執筆している。テーマは、日本において女性に対する経済学教育はどのよ…

『アートと法』

著作権入門ノート『アートと法』−表現の自由・自主規制・キャラクター 小笠原正仁著 2015年7月 阿吽社発行 A5版 300頁 この本は、「おわりに」で書かれているように、大阪芸術大学で開講されている「法と芸術」という講義のためのテキストで、芸術表現を学…

『68年5月とその後―反乱の記憶/表象・現在』

クリスティン・ロス/訳:箱田徹( 航思社/2014/476頁) 著者のクリスティン・ロスは、ニューヨク大学比較文学部教授で、専門は19世紀20世紀フランス文学及び思想であり、邦訳された共著に『民主主義は、いま』(以文社)がある。 訳者の箱田徹は、京都大学…

『お〜い!おーちゃん―自閉症の弟と私のハッピーデイズ』

廣木佳蓮・廣木旺我著(黎明書房/2015/126頁) 著者廣木佳蓮(ひろき・かれん)さんは、1995年大阪市に生まれ、現在奈良女子大学文学部人間科学科在学中の女性で、「日本でインクルーシブ教育を普及させ、弟のような社会的弱者と言われる人たちも、自分ら…

釧路炭田 炭鉱(ヤマ)と鉄路と

石川孝織著(釧路市立博物館友の会発行/水公舎/2014年)196頁 本書は、著者(釧路市立博物館学芸員)が北海道新聞(釧路)に、1年半にわたって70回連載した「記憶の一枚『釧路炭田再発見』」をもとに加筆したものである。 70回連載の各回をもとに見開き2頁…

隔離の島に生きる―岡山ハンセン病問題記録集

松岡弘之編『隔離の島に生きる―岡山ハンセン病問題記録集 創設期の愛生園』(ふくろう出版、2011・3・25) 本書は、国立療養所長島愛生園(岡山県瀬戸内市)が所蔵する行政文書「舎長会議事録」、「一人一題・最近の愛生園」を翻刻した資料集である。 編者は…

玉井金五教授退任記念論文集

『玉井金五教授退任記念号』(「經濟學雑誌」第115巻 第3号、大阪市立大学経済学会、2015年2月)B判327頁 本誌は、玉井金五教授が2014年3月をもって、大阪市立大学経済学部を退任されたことを記念して編まれた論文集である(退任後も愛知学院大学経済学部教…

医療問題研究会による放射線被曝問題の図書2冊

『福島で進行する低線量・内部被ばく:甲状腺がんの異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える』医療問題研究会編著(耕文社/2015年8月)A5判140頁 『低線量・内部被曝の危険性―その医学的根拠』医療問題研究会編著(耕文社/2011年11月)A5判120頁 編…

『原発が「死んだ」日』

永江雅俊著(阿吽社/2015年8月/四六判190頁) 著者は、チェルノブイリ原発事故で被曝したベラルーシの子どもたちの「転地保養里親運動」に日本で20年以上取組んできた、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の僧侶である。 僧侶であると同時に、北海道電力泊原発…

エル・ライブラリーの記事あり!『岐路から未来へ』

2014年2月13日に当ブログに既出の、「共同通信社配信記事にエル・ライブラリーのことが大きく取り上げられた」という、その記事が、本になりました! 共同通信社の佐々木央編集委員が書いてくださった記事は「岐路から未来へ」という連載企画のなかの一つで…