エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

全米一の労働アーカイブ――ルーサー図書館

 1月31日のエントリーにも書いたように、デトロイトにあるウェイン大学の「ウォルター・P・ルーサー労働都市問題図書館」は、全米でもっとも膨大なコレクションを持つ労働専門図書館です。

 ここの巨大なコレクションはとても数時間では見て回ることができません。書庫の中には何千個あるかわからないダンボール箱が並び、その中を開けると労組の資料を収めたフォルダーがびっしり詰まっています。かなりよく整理されていて、フォルダーの番号が目録に打ち出されてあり、閲覧室にずらりと並んだ目録からフォルダーを探し当てることができます(写真はその目録を手に説明してくださるルフェーブルさん)。

 来館者は1日10人ぐらいですが、Eメールが30通ほど来ますので、その対応に追われるそうです。ほとんどの資料はメールによってpdfファイルで送ってもらえるということです。ここは冊子体の資料だけではなく、オーディオ、写真が豊富にあります。写真はなんと200万枚も所蔵しているということで、どうやって整理しているのか、不思議になります。

 全米には25の労働図書館があり、それらのアーキヴィストたちが1年に1回集まって情報交換しているそうです。ちょうど、日本でも同じように労働関係の資料機関の集まりである「社会労働関係資料センター連絡協議会」があるように、アメリカでも労働関係の図書館員たちは互いに資料の所在について情報を交換し、資料収集の利便を図っています。労組の資料は集めるのに苦労するものですが、このネットワークを使って資料を集めていると言っていました。また、労組の資料は主題別の整理をしてあるフォルダーもあれば、元の持ち主の名前で整理してあるフォルダーも多くありました。アーキヴィストたちが足を使って資料を集めて回っているということで、ほとんどの資料が寄贈によって収集されています。このあたりの事情も当館と同じですね。

<ルーサー図書館の蔵書数>
 原資料(歴史的文献):22,860メートル
 ネガと写真:200万枚
 映像:7,500本
 聴覚資料:12,000本
 オーラル・ヒストリー:750件
 図書・雑誌:12,000冊
 主題別ファイル、会議録、労働協約、などなど