大阪府立国際児童文学館、最後の開館日

 12月27日(日)をもって閉館となった国際児童文学館に行ってきました。この日が最終日ということは新聞等でも報道されていたため、館内は満員御礼状態。「今日初めて来た」という子ども連れの若いお母さんもいました。

 花束を抱えた女性が館内に入るのを目撃。ふと目が合うと、涙ぐんでおられるような…。元職員の方だったそうです。スタッフが心を込めて仕事をしてきたその思いが伝わるようで、感無量でした。
 去年、わたしたちも運営していた大阪府労働情報総合プラザを年度途中で廃止されてしまい、大阪府の労働図書館は61年の歴史の幕を閉じました。そのことを思い出してしんみりしましたが、労働図書館と違って児童文学館は海外にもファンのいる、有名な施設です。さすが、関西の全テレビ局が取材に来ていました。

 今日の午後4時54分からの関西テレビスーパーニュースアンカー」のなかで特集が組まれています。

 最終日の午後2時からはいつものように子どもたちへの「読み聞かせ」も行われ、スタッフの皆さんも子どもたちも元気よく集まり、皆、熱心に話しに聞き入っていました。物語の途中でストーリーを先にしゃべってしまうお子もいて、場内の笑いを誘っていました。話が佳境に入ると思わず身を乗り出し、突っ込みを入れる子どもたちもいて、なんだか懐かしいような楽しい気持ちを味わわせてもらいました。

 

 この日が最終日とはいえ、国際児童文学館がなくなったわけではありません。財団は存続しますし、専門員(研究員)のみなさんも「臥薪嘗胆」とおっしゃっています。この日、スタッフの方たちと立ち話をしましたが、皆さん、「これからが大変です。まだ終わったわけじゃない。建物をどうするのかも決まっていないし、まだまだできることがある」と諦めておられません。

 何度も書いてきたように、児童文学館はふつうの図書館ではなく研究機関であり、また史料を保存する博物館でもあります。来館者数でその値打ちが決まるところではありません。直接子どもたちに本を貸し出しするのが目的ではなく、地域の図書館が担うべき児童文学振興の道筋を研究し、児童文学の普及に努めることが使命なのです。バックヤードには世界中でここにしかない貴重な資料もあり、府立中央図書館に移管されるとはいえ、従来のような研究機能がなくなれば、損失は大阪だけのことにはとどまりません。

 財政難であればなおのこと、市民や大阪府外からの寄付も募って存続のための努力をすべきではなかったでしょうか。短絡的に「廃止」を決めてしまう態度は納得できません。しかも建物の解体に2億円かかるといわれ、跡地利用の方針も決まっていないのです。「はじめに廃止ありき」という方針が出されたこと、これまで何十年かかって積み上げてきた、これからも続けていかねばならない研究と資料収集の成果を一瞬にしてつぶしてしまうことは、将来に大きな禍根を残すでしょう。

 「財団法人大阪国際児童文学館は存続し、これからも子どもの本を通じて、子ども文化の振興をめざして活動を続けます」とのことです。これからも応援し続けます!(谷合)