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福島、仙台へ行ってきました(2)

 5月24日の速報の詳細です。

 それでなくても驚異の方向音痴の谷合は、見ず知らずの土地に一人で出かけることになり、スタッフからは「被災地で迷子になったりしたら皆さんの迷惑になるだけだから、行かないほうがいいんじゃないすかぁ〜」などと心配とも揶揄ともつかぬ励ましを頂戴しつつ、いざ出かけたのでありました。
 5月20日(金)の早朝に福島市に到着。で、もちろん現地では道に迷うのは当たり前。そんなことは想定内だから別にいいのですが、ようやく福島県宮城県の地理が少しわかったことが大収穫でした。

 それはともかく、県庁の近くにある福島市資料展示室「ふれあい歴史館」に入ってみました。
 ここではアポ無しインタビューを敢行し、震災の被害状況についてお聞きしたり、展示内容の簡単な解説を受けたり、何かと親切にしていただきました(上の写真は同館のwebサイトより)。同館のサイトはこちら
 ふれあい歴史館は郷土史料館のようなイメージですが、郷土資料だけではなく、特筆すべき展示品として「郵政資料」数万点の所蔵を誇ります。郷土の収集家・研究家である金子一郎氏から寄贈された切手や文献資料その他が展示されていました。
 ふれいあい歴史館は震災による被害はさほどなく、展示ケースが3個破損しましたが、展示品に被害はなく、無事5月初めに開館できました。
 その後、福島県庁に勤める友人を訪ねて、関西の友人達から集めた義援金を渡したりしたのですが、その話はまた谷合の個人ブログに書くとして、午後からは福島県図書館にて災害復旧の状況について企画管理部の吉田和紀さんからお話を伺いました。福島県内全体の公共図書館の被災状況と復旧状況についてレクチャーを受け、プロボノ派遣の可能性等についてお話を聞いたあと、県立図書館の被災状況を案内してもらいました。
 
 地震の時、重さ5キロ以上ありそうな空調ダクト(上の写真)がいくつも天井から落ちてきたのですが、幸いけが人はいなかったそうです。福島県公共図書館の被災状況は福島県図書館のwebサイトに最新版があります。http://www.library.fks.ed.jp/ippan/sinsai_higai_fukushimaken_library.html これをご覧いただければ、けが人なし、という記述が目に付きます。大きな地震により建物の被害が出たにもかかわらず、けが人がいなかったのは奇跡としかいいようがありません。

 上はダクトが落ちた跡の天井の写真です。大きなゆれが収まった後、次々にダクトが落下してきたそうです。

 大理石の立派な柱も剥がれてしまいました。外国産の美しい大理石など、立派な部材を使った建物ですが、いざ震災を受けると復旧に時間がかかってしまいます。今後の図書館建築の問題点として大きな課題を残したのではないか、と個人的な感想を抱きました。


 書架の本はほとんど落ちてしまったのですが、すべて拾い集め、配架済みです。本が落ちないように紐をかけてありました。

 建物の玄関部は庇の天井部分が剥がれ落ちています。大きな1枚ガラスも割れてしまったので、建物の復旧が済まないと開館できないということでした。7月ごろから開館の予定です。
 地震の際、職員の方々の適切な誘導指示があり、利用者にもまったく怪我がなかったということは何よりでした。普段からの訓練の賜物と感じました。また、県内各図書館との連絡もなかなかとれず、特に沿岸部は道路が復旧していなかったりして立ち入ることもできないという状況だそうで、なかなか現状把握が難しいようでした。震災後暫くは図書館への電話も繋がらないという状況の中、職員どうしの携帯電話でようやく被害状況が把握できたということでした。やはり日常的な顔の見える関係作りが大事だということですね。

 県立図書館を案内して頂いた後、隣接する県立美術館に行ってきました。「スタジオジブリ レイアウト展」を開催中だったので鑑賞してきました。大量のレイアウト画に圧倒されましたが、それよりも心惹かれたのは常設展のアンドリュー・ワイエスの絵でした。
 ちょうど県立美術館に居たときに震度4に遭遇し、大きな音と揺れにびっくりしてしまったのですが、周りの人たちはほとんど動じる様子がなく、びびっていたのはわたし一人、という感じでした。天井が高い展示室には身を隠す場所もなく、「この天井が落ちてきたらどうしよう」と上を見上げて不安げな顔をしていたのでしょう、係員の女性が飛んできて、「大丈夫ですからね!」と声を掛けて下さいました。「本震のときも何も被害がなかったんですよ、大丈夫ですから」と言われて、「わたし、今朝大阪から来たんです。びっくりしました」と告げると、「ここの建物は何も被害がなく、展示品にも被害がなかったのですよ」と強調されていました。 
 以下、その(3)に続く。第3回は仙台の報告です。(谷合)
<6月10日追記>
 6月6日、福島県図書館のwebサイトに復旧の現状報告ページが掲載されました。http://www.library.fks.ed.jp/ippan/fukyu_zyoukyou_houkoku.html

※福島・宮城での調査報告は、博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の被災・救援情報サイト「saveMLAK」に掲載しています。↓
http://savemlak.jp/savemlak/images/0/01/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%83%BB%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E8%AA%BF%E6%9F%BB.doc