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福島、仙台へ行ってきました(4)

震災復興支援

 被災地でのプロボノ報告、その(4)最終回は仙台編の続きです。
 
 5月21日(土)、宮城県図書館での聞き取りを終えた後、東北学院大学泉キャンパスに向かいました。同じ仙台市泉区にあるからタクシーを呼べばすぐだろうと軽く考えていたのですが、思ったより随分距離があり、当初歩いてでもいけるかもなどと考えていたことが大間違いであると判明しました。
 幸い、東北大学のライブラリアン吉植庄栄さんが車で送ってくださったので、助かりました。車の中では吉植さんから、被災地の図書館員たちが精神的に大変疲れている、ということをお聞きして、<図書館を救え>というプロジェクトは同時に<図書館員を救え>というプロジェクトでもあるのだな、と痛感しました。

 東北学院大学津波でセミナーハウスが全壊するなど、大きな被害を受けました(上の写真)。泉キャンパスでは、書架から落下した大量の図書を拾う作業が待ち構えていると覚悟したのですが、地下書庫でヘルメットを被っての孤独な作業ではなく、スタッフによる開架での配架作業に加えていただくことになりました。
 ここにお手伝いに伺うことになったのは、Twitterを通じて庄子隆弘さんに会見とボランティアの申込をしたからです。震災の少し前に相互フォローするようになった庄子さんと実際にお会いしたのは初めてです。Twitterで知り合ってすぐに震災。そして庄子さんのおうちが津波で流されてしまったことを知り、言葉を失いました。何枚もの被災写真をwebで公開されている庄子さんは、大きな被害を受けたにも関わらず、必死になって図書館の復旧作業に追われていました。その不休の作業には頭が下がります。
 地下書庫に案内して頂き、大量の資料が落下したままの様子に「うわぁ、これ全部拾うのかぁ」と思わず尻込み、ではなく、腕が鳴ったのですが、今回はこの作業はせず(多くのボランティアの助けによって、6月10日現在、この復旧作業は終了したとのこと)。
 
 図書館の入り口には復旧作業の様子を伝える映像が流されていました。図書館の「見える化」に積極的に取り組んでおられる様子に感心し、また、様々な掲示を工夫しておられるのも大いに参考になりました。

 泉キャンパスの図書館員の皆さんは大阪からやってきた谷合をとても暖かく迎えてくださいました。どれだけ役に立ったのかわからないけれど、とにかく皆さんと一緒に仕事をして、短い間でしたが、いろいろお話ができてよかったです。「困った時は助け合う」という素朴な気持ちが伝わり合う社会が今、何よりも必要なのでは、と思いました。
 エル・ライブラリーの困難な状況もお話したところ、「大阪に労働関係の専門図書館があるのですか」と驚かれました。「珍しいですねぇ」と口々におっしゃる皆さんに、少しでも当館のことをお伝えできてよかったと思います。互いの困難な状況に違いはあるのですが、日本の東と西、距離はあっても図書館に寄せる思いは同じ。現在の利用者のために、そして未来の利用者のために、わたしたちは資料を整え保存し、情報発信していくのです。
 庄子さんは、昨日のTwitterで「津波で家が流された私は”超腫れ物”で、みんなどう接したらいいかわからない戸惑いがよくわかります。なかった事にはできないわけだから、この境遇と付き合っていく覚悟はできてて、特に図書館関係では”津波の庄子”として売っていければいいとも思っているわけです」とつぶやいておられました。図書館の復興支援と同時に、津波の庄子さんの支援もせねば、と思います。淡々とそして懸命に仕事に取り組む庄子さん、時には不平不満も吐き出して、長い道のりを共に歩いていきましょう。仲間は全国にいます。(谷合)

※今回の旅でお世話になった福島県の吉田和紀さん、宮城県の熊谷慎一郎さん、吉植庄栄さん、庄子隆弘さん、ありがとうございました。

※福島・宮城での調査報告は、博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の被災・救援情報サイト「saveMLAK」に掲載しています。↓
http://savemlak.jp/savemlak/images/0/01/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%83%BB%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E8%AA%BF%E6%9F%BB.doc