神戸大学附属図書館「震災文庫」

 今日は1月17日です。
 阪神・淡路大震災当時、生まれてまだふたつきにならなかった長男がいつになく明け方に泣き続けたため、地震発生時は完全に目が覚めていました。その長男は17歳になりました。

 さて、阪神・淡路大震災の記録を保管する施設のひとつをご紹介したいと思います。
 神戸大学の社会科学系図書館管理棟3階にどなたでも利用可能な「震災文庫」があります。

 震災文庫の公開開始は1995年10月30日、ということは阪神・淡路大震災が発生して9ヵ月後には公開が始まったことになります。このすばやい取り組みのおかげで、当時避難所で配布されたちらしなど普通ならば残らないようなものも保存されることになりました。資料というのは本のかたちになると後世に残っていく可能性が高くなりますが、そうではないもの、特に一枚物の配布物やパンフレット、ボランティアグループによるミニコミ誌といったようなものは意識して保存していかなければすぐになくなってしまうものです。そして、実はそのような資料こそが当時の人々の有り様を生々しく伝えてくれるものなのです。

【収集対象資料】
「商業出版物・私費出版物はもちろん、各種団体・個人による研究報告・調査報告・統計資料・講演会等の記録・レジュメ・チラシ類 なども対象としております。
 また、形態としては、印刷資料のほかに、電子資料(CD−ROM等)・ビデオ・録音カセット・マイクロ資料・写真・地図 なども収集いたします。」(「阪神・淡路大震災関係資料のご提供方について(お願い)」より)

 また震災文庫では資料のデジタル化とその公開が進められており、現在一部の資料をweb上で見ることができます。写真や音声(阪神大震災で被災した鉄道の車内アナウンスなど)、震災関連サイトなどのデータ類も保存の対象になっていることがおわかりいただけるかと思います。


 震災文庫は2012年1月16日現在、総件数48748件(26699タイトル)、現在も継続して資料を収集しています。

 なお、震災文庫が入っている社会科学系図書館の建物は国の登録有形文化財に登録されています。1930年代前半に設計・施工されたレトロで優美な建築物で、ステンドグラスのトップライトから光が降り注ぐ細部まで趣深いものですが、なにより驚かされるのが大壁画。神戸大学の前身のひとつ神戸商業高等学校の卒業生である画家中山正實によって描かれた、自然と青年たちの群像が迫力の画の題は「青春」。
 神戸大学附属図書館は一般の方にも開放されています。(千本)