エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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saveMLAK報告会2014、当館にて開催しました

 2011年3.11の東日本大震災の翌日から始まった文化施設への復興支援活動saveMLAK(セイブ・エムエルエイケイ)に、エル・ライブラリーのスタッフもボラティアで参画し続けています。その年次報告会が6月22日(日)に開催されました。
 当日は横浜会場と大阪会場(エル・ライブラリー)とを結んでUstream中継し、午後の部では実際にエル・ライブラリーを使って「小規模図書館の防災訓練」を実施しました。参加者約11人

★「急がずに、しかし休まずに」

 横浜会場からの白井哲哉氏(筑波大学図書館情報メディア系教授)の基調講演「「被災資料と災害資料の保全活動―フクシマから考える現状と課題―」をUstream中継で聞き、その後の博物館(M)、図書館(L)、公民館(K)の年次報告も横浜から中継してもらいました。大阪会場からは文書館分野(A)の報告を松岡弘之さん(大阪市史編纂所勤務)が担当されました。

 全体報告としてはプロジェクトリーダーの岡本真さん(アカデミック・リソース・ガイド(株)代表取締役)が、三年目の支援活動全体を見渡して、できたことできていないことを整理して語りました。「急がずに、しかし休まずに」をスローガンにこれまでプロボノ支援を行ってきたこと、この1年間に「saveMLAKメソッド」という実践訓練を3回行い、少しずつ前に進んでいることが報告されました。
 大阪会場の松岡さんは、特定秘密保護法の制定などアーカイブズ関連の動きを整理し、史料ネットが東北に根を張った活動を地道に行っていること、さらにこの1年に起きた台風や水害へのレスキュー活動実態について報告しました。
 当日発表された報告スライドなど詳細ははこちらのサイトにあります。
http://savemlak.jp/wiki/saveMLAK:Event/20140622
 
 午後からはエル・ライブラリーを舞台に、防災訓練「saveMLAKメソッド」を行いました。これは2013年9月に当館で行った実践訓練(専門図書館関西地区協議会主催)と同じものです。写真のように、実際に大地震が起きたと想定して避難誘導の訓練をします。まずは全員が机の下にもぐりますが、そのあと、次々と悲惨な状況設定が畳みかけるように起きて、参加者は真剣な面持ちで話し合いを繰り返し、状況に対処していました。

 2時間の訓練が終わって、皆ぐったりしていました。というのも、次々に起きる「死傷者の存在」「スタッフの負傷」「責任者が動けない」「行方不明者の存在発覚」といった事態に対処するために頭をフル回転させていたためです。メンタル面も鍛えておくことが必要だと実感させられる訓練でした。いざというときのために繰り返しシミュレーションをすることが大切です。

 今後、saveMLAKはこの「メソッド」の普及活動を重点課題として取り組んでいきます。ぜひ多くの方々の実践参加を。災害は忘れたころにやってきます。(谷合)