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デジタル化セミナー新春らしく華やかに開催

 1月13日(火)にダイトケン兵庫(大学図書館問題研究会兵庫支部)と当館との共催で開いた「資料デジタル化の基礎と実際 凸版印刷の事例から」はおかげさまで、申し込みが定員をオーバーする盛況ぶりでした。交流会も25名が参加し、豪華景品の福引も楽しみました。

  セミナーは、主催者を代表して大学図書館問題研究会兵庫支部長の井上昌彦さんが開会のあいさつをされ、続いて講師の大橋秀亮(おおはし・ひであき)さん(右上の写真)が「東寺百合文書のデジタル化」についてお話されました。大橋さんは凸版印刷株式会社の営業担当者として、国宝の東寺百合文書のデジタル化事業に取り組まれました。京都府立総合資料館が所蔵する東寺百合文書はまもなくユネスコ世界遺産に登録される予定の、価値の高い文書群です。そのデジタル化にあたって「単なる技術の問題ではなく、資料のことを知るのが大事」と考え、スタッフ一同での文書の内容に関する勉強会にも余念がなかったそうです。凸版印刷独自の技術も披露され、ここでしか聞けない具体的なお話は参加者の興味を大いにそそるものでありました。

  受注者側の事例に続いては、発注者の事例としてエル・ライブラリーの谷合が「辻コレクションのデジタル化」について15分間報告しました。(谷合が報告したスライドはこちら
 近江絹糸人権争議(1954年)後に彦根工場で発行された多くの職場新聞や文芸誌のコレクションを、当館では寄贈者・辻保治氏(故人)にちなんで「辻コレクション」と呼んでいます(こちらを参照)。デジタル化にあたっての注意点・留意点・考慮すべき事柄などを実際の経験からお話しました。また、発注にあたってできるだけ金額を下げるためにも目録を採録しておくことの重要性などもお話しました。

 続いての質疑応答は活発に行われ、デジタル化したファイルの真正性はどこで担保するのか、といった質問や、価格についての考え方についての質問などが出ました。「デジタル化の目的をはっきりさせてほしい」ということを大橋さんは何度も強調されていました。

 最後にお楽しみVR(バーチャルリアリティ)の上映は、大阪府堺市の「百舌鳥古墳群」と「熊本城」の2本を鑑賞。本来はコントローラーを動かして画面を転回させるのですが、自動上映で3D映像を楽しみました。あまりにもリアルでかつ画面がダイナミックに動くのでVR酔いした方もおられたようですが、デジタル画面の精細さに感動した30分でした。

 盛りだくさんに詰め込んだ90分は、とても90分で詰め込むには惜しい中身の濃いものでした。デジタル化については今後も引き続き勉強会を開催していくことが必要だと痛感したセミナーでありました。


さて、二次会は中之島フェスティバルタワーの「星空の見える」レストランで開催。お楽しみの福引の景品は以下の通り。


<特等>下記のうち希望するもの1点


<1等以下>
 凸版印刷特製栞(両面に絵模様の入った14KP)、三か月カレンダー、などなど。ARG(アカデミック・リソース・ガイド株式会社)からは図書館専門雑誌『LRG』のバックナンバーやゆるキャラ人形など、たくさん提供していただきました。記して謝意を表します。

 締めのあいさつは当館の館長補佐・千本沢子。VIPカレンダーを当てて大喜びでした!

 資料のデジタル化にはさまざまな留意点や課題が山積しています。以下のような今後の課題について、これからも勉強を続けていきたいと考えています。(谷合)

  1. 何よりも事例をもっと積み上げる
  2. デジタル化の資金獲得方法について
  3. 著作権処理と個人情報保護の問題をクリアする方法
  4. 教育と研究にどのように活用するのか
  5. デジタル化した後の原資料の扱いについて
  6. Web公開後の再利用の実例
  7. 日本版「ヨーロピアーナ」への提言