エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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ICOM京都大会に参加しました

 既報のように、9月1日~7日まで京都で開催されたICOM国際博物館会議)に当館館長谷合が参加し、9月3日にはエル・ライブラリーを紹介するスピーチを行いました。谷合が参加したのは9月2日~4日の3日間です。

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ICON京都大会開会パーティに先立つ地元自治体首長の挨拶
 これは3年に一度開かれる博物館界最大の国際会議で、日本では初の開催でした。当初、「世界141の国と地域から、3000人を超える博物館の専門家が京都に集まります」との謳い文句だったところ、ふたを開けて閉めてみれば、なんと4590名もの参加!
 世界中の企業や博物館の展示ブースの新奇な技術や目を見張る美しさ、楽しいプレゼンの数々を大いに堪能できました。また、メイン会場で繰り広げられた数々のセッションでは世界の博物館がかかえる問題や政治的対立、未来へ向けての試みなど非常に興味深いものがありました。 

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CIDOCのセッションで報告する筒井弥生さん(右)と谷合
 そして私が登壇したのは9月3日(火)のCIDOC(ドキュメンテーション国際委員会)のセッションです。持ち時間10分の間に3人で分担発表。今回のテーマと発表者は以下の通りです。 
発表テーマ:小規模MLA機関のドキュメンテーションと運営
共同報告者:筒井弥生(一橋大学非常勤講師)
      Tanya Maus(米国ウィルミントン大学平和資料センター所長)(ビデオ参加)
      谷合佳代子(エル・ライブラリー館長)

  発表後は、すっかり脱力してしまいました。こんなに一生懸命英語を読んだり書いたりしたのは生まれて初めてかもレベルだったのですから。で、しゃべったのは2分(笑)。2分の英語スピーチのために費やした時間を思うと、自分をほめたいです。導いてくれた共同発表者の筒井弥生さんとターニャ・マウスさんにただ感謝するのみです。

 大事なことは、共同発表者のターニャがアメリカにおける反核平和運動資料センターの所長であること。そして、当エル・ライブラリーには多くの反戦運動の一次資料があることです。こういった原資料をいかに多くの市民・研究者にとどけるか、これが共通の課題です。
 日米のアーカイブズ機関共通の使命と困難を察知した筒井弥生さんの直感も貴重です。彼女が当エル・ライブラリーとウィルミントン大学平和資料センターを結び付けてくれました。
 小さな機関であっても資料を守り伝え、活用するための努力は日々怠りません。そのために毎日悩み努力しているわけです。資金難、人材不足、目録作成の困難さ、などなどなかなか表には見えないのがつらいよところではありますが。
◆ウィルミントン大学平和資料センターのサイト
 ターニャ・マウス所長は今年の8月に被爆十字架を長崎の教会に返還したとして、マスコミ各紙に報道された方です。 
 

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ICOM京都大会でゲットしたグッズの数々と大会パンフレット

 現在、当館内にて「ICOM京都大会参加記念ミニコーナー」を設けて、大会のパンフレットや、記念品、展示会場でもらったグッズ(ノート、鉛筆、ペンケース、台湾のミュージアム案内冊子、扇子、エコバッグ、箸、ぐい吞み、などなど)を展示しています。手に取っていろいろとご覧になってください。
 その他、展示ブースを回って写真や動画も撮ってきましたが、それはブログには載せきれないので、またどこかで報告の機会をもちたいと思います。(谷合佳代子)