エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

saveMLAK年次報告会に館長登壇(6月27日)

(※2021年6月29日追記:

下記イベントの動画が配信されています→  https://youtu.be/ZvaDqYEtHRI

 

2021年6月27日(日)14:00~17:00(予定)

オンライン開催

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 当館のスタッフは、2011年3月の東日本大震災以来、10年間にわたってゆるやかなネットワークとして活動を続けているsaveMLAK(博物館・図書館・文書館・公民館の被災・救援情報)の一員としてボランティア活動を行っています。去年と今年は主にコロナ禍での文化施設の休館などの状況の調査と結果報告を、Webサイトで情報発信しています。

 10年の節目に、年次報告会ではこの10年を振り返る講演会を持ちます。saveMLAKプロジェクト代表の岡本真さん(アカデミック・リソース・ガイド株式会社代表取締役)の講演につづいて、最初期からこの活動に携わっている江草由佳さん(国立教育政策研究所)とエル・ライブラリー館長谷合佳代子の二人が岡本さんにインタビューするという趣向で、この10年に何ができて何ができていないのか、わたしたちは何を目指しているのかを語り合い、確認したいと考えています。

 堅苦しい場ではないので、どなたでも興味をもたれた方はオンラインで参加可能です。

 申し込み方法など詳しくは↓をご覧ください。(谷合)

saveMLAK報告会2021 ~社会教育・文化施設の救援・復興支援~ - saveMLAK

新着雑誌です(2021.6.18)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労務事情 No1428 2021.6.15 (201406659)

賃金事情 No2828 2021.6.20 (201406683)

労働経済判例速報 2445号 2021.6.10 (201406717)

労働法学研究会報 No2742 2021.6.1 (201406519)

季刊労働法 273号 2021.6.15 (201406543)

 

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所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

連載第13回 職場新聞(6)『ほのお』その1

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『ほのお』創刊号1面

 『ほのお』は『蛹粉の中で』と並び、最も早い時期に創刊された絹糸紡績ガス焼職場の職場新聞である。1956年2月に創刊され、その後13号までほぼ1ヶ月に1号発行されている。なお、1957年7月に最終号として『ほのほ』のタイトルで12号(『ほのお』3月10日号と号数重複)が発行され、その後絹紡仕上職場(合撚糸、ガス焼、検操、仕上)全体の職場新聞『きぬいと』に引き継がれた。

 ガス焼工程では、精紡後、合撚工程で、単糸2本を合わせ、撚りをかけて巻き上げた糸を炎の上に通し、毛羽立っている部分を焼き、糸に艶を出す。

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ガス焼機(朝倉克己氏提供、近江絹糸紡績彦根工場、1955~1957年頃)

 ガス焼機の上部に木管糸を立て、糸をガスバーナー上の台に設置されたランナーと呼ばれる突起に巻き付け、下部の糸巻に巻き取った。糸の掛け方は複雑で、ランナーを通る順序や巻き方は決められていた。

 炎を使うため、暑さで粉が埃のようにへばりつき、垢が落ちるのが不快で臭く、辛かったという。このため、晒練、整綿と並んで特殊作業場として、絹紡手当の対象とされた。

「たった十五円位の手当がなんだ

 顔髪、服ところかまわずよって来る灰、いくらはらっても、はらっても、十分もしないうちに灰はつもる。

あゝいやになっちゃうな、ガス焼なんて、どこか職場をかわりたい。おそらくここを退社するまで、この灰からのがれられないだろう。ある人はガス焼は手当がついていゝわねって言う。

たった、たった十五円位(注)。本当にそう思うなら、私とかわってよ。

お願いだから、

貴方たちのように、きれいな所で、仂らけたらどんなにいいかしら、今日もまた、灰にまみれて仂く私たち。」『ほのお』№10 2面より

 また、暑さそのものも苦痛の原因で、『ほのお』№3には、隣り合う工程である検操職場との間にガラスの仕切りを入れることについて、反対の記事が見られる。

「むし焼きにはたえられない

 窓をはずせ

ガスの臭いとあつい灰の中で仂く私たちガス焼に検操の方にガラス窓が入れられるように日に日にできて来ています。これを見る時、ただでさえ暑い職場であるのに窓など入れられたらそれこそ私たちまでがむし焼きにならなけばなと思います。(中略)窓を入れる前にガス焼の冷房装置をやってからでなければ私たちは毎日の出勤もしようにもむし焼にはたえられそうもありません。(後略)」『ほのお』№3 1面より

 これは、他の仕上職場が暑く臭いガス焼職場を単独にしてほしいと主張し、行われた措置だという。この時点で必ずしも特殊作業場の問題が仕上全体の問題としてはとらえられていなかったことがわかる。

(注)ガス焼の労働者には日額15円の絹紡手当が支給されていた。

   

(下久保 恵子 エル・ライブラリー特別研究員)

 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

新着雑誌です(2021.6.11)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労政時報 4015号 2021.6.11 (201406642)

労務事情 No1427 2021.6.1 (201401361)

賃金事情 No2826 2021.5.20 (201401254)

賃金事情 No2827 2021.6.5 (201406592)

人事実務 No1221 2021.6.1 (201401395)

企業と人材 No1100 2021.6.5 (201406675)

月刊人事マネジメント 366号 2021.6.5 (201401288)

ビジネスガイド No904 2021.7.10 (201406626)

労働経済判例速報 2444号 2021.5.30 (201401221)

労働判例 No1240 2021.6.1 (201401312)

労働法律旬報 1982号 2021.4.25 (201406709)

労働基準広報 No2065 2021.6.1 (201406535)

地域と労働運動 249号 2021.5.25 (201406568)

 

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緊急事態宣言延長中の運営(情報更新)

 大阪府に発出されていた緊急事態宣言が6月20日まで延長されることが、5月28日に公表されました。これに伴い、当館は下記のように現在の運営体制を維持します。

 (1)5月31日(月)~6月19日(土)は10時~16時までの予約制(日曜のみ不可)

 (2)土曜日は前日17時までに予約がなければ休館

・来館閲覧をご希望の方は前日17時までにご予約ください。下記「お問い合わせ」をクリックして、「お名前、メールアドレス、携帯電話番号、来館希望日時(月~土、10時~16時)」を記入してご連絡ください。特に土曜来館ご希望の方は、書庫内資料が利用できない可能性があり、前日までに出庫する必要があるため、必ずご使用希望資料名も併せてお知らせください。

・休館中も含め、引き続き複写郵送サービスとレファレンスサービス(資料に関する質問への回答)は行います。

・6月18日(金)申し込み分まで、送料無料で郵送貸し出しします(サポート会員対象。貸出できない資料あり)ので、詳しくは下記「お問い合わせ」をクリックしてお尋ねください。

・6月18日(金)申し込み分まで、複写物の送料を無料にします。

・6月18日(金)申し込み分まで、郵送複写料金を値下げします(会員20円→10円。非会員50円→20円)

・月曜~金曜までお電話でのお問い合わせも可能です。

・当館が賃貸入居するエル・おおさか(大阪府立労働センター)が休館しているため、出入り口が東側1か所に限定されています。駐車場も閉鎖されていますので、お車で来館される場合は近隣の駐車場をご利用ください(情報追加:6月2日から駐車場が使えるようになりました。常時閉鎖は正面玄関だけ)。

 

 皆様にはご不自由をおかけしますが、なにとぞご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

お問合せ - エル・ライブラリー8

 

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

連載第12回 職場新聞(5)『晒練(せいれん)職場新聞』その2

 晒練職場は繭由来の整糸屑等を煮沸・腐化・洗浄するため、悪臭と重労働によって、他職場の労働者からも忌避される「特殊作業場」*1

であった。中でも、洗浄工程は冷水を使用するため、この工程に従事する女性労働者について、母体保護の見地から男性労働者への切替が要求された。

 1954年10月に職場として洗場男子切替を要求、翌55年に執行部が人員配転案を作成したものの、他職場から不服が出て配転は実現されなかった。*2

 『晒練職場新聞』では、1956年8月の創刊号から57年4月発行の第9号に至るまで、ほぼ毎号、この問題が取り上げられている。

 第3号(1956年10月10日発行)には男女の紙上討論が掲載されている。 

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  晒練職場新聞第3号2面

「紙上討論 女子のよろこびは男子の苦しみ」

 (中略)

 男から女へ

 女子の喜びは男子の苦しみ。洗濯場男子切替が具体化して来ると女子は大変喜ぶが、男子はつらいぞ、もしかした((ママ))一生この晒練に居なければならないのに。洗濯夫とは、何んと情けないことだろう。

「お父ちゃんは洗濯夫」!どうだい、女性諸君!!気に入ったか?

  洗濯夫の男と結婚する意思有りや、なしや、回答を待つ」

晒練の内部でさえ、男性労働者が洗濯作業に従事することに、大きな抵抗感があったことが分かる。

また、同時期に発行された、絹紡ガス焼職場新聞『ほのお』7号(1956年10月1日)には、「男子寮、又は組合では晒練職場男子切替が一番問題と成っていますが、女性がしていた仕事を長い将来において続けると云うことはなんと、つらい事だと思います」という記事が見られる。洗濯という職種が「女性の仕事」と認識されていたことが、抵抗感の背後にあったことがうかがわれる。

1956年9月、再び晒練洗場男子切替えの問題が職場代議員会で討議され、配転割合表を付した「示達」が執行部から発出された。*3

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『示達 職場代議員殿 晒練洗場男子切替えについて』

 しかし、その後の『晒練職場新聞』には、切替達成の記事は見られない。一方、翌年6月の第3回支部大会の報告(4)には、晒練男子切替が行われなかったという総括と反省が記載されており、結局今回も切替は実現されなかった。

 

(下久保 恵子 エル・ライブラリー特別研究員)

 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

*1:晒綿、整綿、ガス焼、仕上課伸子張の4つの絹糸紡績の職場が特殊作業場とされ、絹紡手当を要求していた。

*2:『せいれん文集』(1957年7月)による。

*3:その後、「晒練洗場男子切替について」が彦根支部名で発出され、男子代議員を中心とした座談会で各職場ごとの配転人数を確認、申し合わせたので、早期解決への協力を依頼するとされている。

新着雑誌です(2021.5.25)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労務事情 No1426 2021.5.15 (201406139)

労働判例 No1239 2021.5.15 (201406105)

労働法学研究会報 No2741 2021.5.15 (201406162)

労働経済判例速報 2443号 2021.5.20 (201406196)

労働基準広報 No2064 2021.5.21 (201406147)

賃金と社会保障 1778号 2021.5.25 (201406493)

地域と労働運動 248号 2021.4.25 (201406527)

 

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