二人しかいない当館の常勤スタッフ、それは館長と館長補佐。その二人が最近執筆した、エル・ライブラリーの運営や資料活用についての記事を紹介します。
まずは館長補佐・千本沢子(ちもと・さわこ)が今年2月の日本図書館研究会第59回研究大会で報告した内容を記事にしたものを紹介します。
「雇用形態を超えたスタッフのスキルの形成 ―労働関係専門図書館の実例から―」
〈シンポジウム〉「図書館は専門性をいかに維持・確保するのか―各館種の現状と課題―」
本論は、当館の資料種別を紹介し、スタッフがそれぞれ具体的にどのような業務をこなしているのかを説明しています。そのスタッフというのは常勤・非常勤はもちろんのこと、ボランティアも含めた人材を指します。当館は構造的財政難の資料館ですから、高度な技能を持つボランティアスタッフがいなければ運営できません。非常勤職員も「単純作業を業務とするパート労働者」ではなく、「IT技術や英語能力などの高度なスキルを持った職員」が勤務しています。
そのような特色を持つ当館では、ボランティア・常勤非常勤の区別なく、外部の研修会に参加し、自館の講習会を主催・参画しています。記事タイトルの「雇用形態を超えた」というのはそういう実態を指しています。本報告ではボランティアスタッフについて特にその業務を詳解し、ボランティアスタッフ参加の問題点や課題も述べています。
次に、館長・谷合佳代子(たにあい・かよこ)が執筆した学会誌の論文を紹介します。
「エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)のデジタルアーカイブとデータベース」
『Computer & Education』VOL.44 コンピュータ利用教育学会 2018.6
本稿では当館資料の全容を述べたうえで、webで利用できるコンテンツとデータベースを中心に紹介しました。概要は以下の通り。
(1)メタデータ(索引・書誌情報)のみを公開しているもの
蔵書検索
新着雑誌記事索引
オーラルヒストリー音声データベース
(2)メタデータとコンテンツ(本文・なかみ)を公開しているもの
労働史オーラルヒストリー・プロジェクト
また、当館所蔵資料の活用事例を挙げて、最後にデジタルアーカイブの課題について述べました。
このように、当館のスタッフは折に触れて活動報告を外部のさまざまなメディアで発表しています。これからも積極的にメディア掲載を続けてまいりますので、ご注目のほどよろしくお願いします。(谷合)