エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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『「オール大阪」市民の勝利 2020.11.1住民投票活動記録集』

明るい民主大阪府政をつくる会大阪市をよくする会(2021年1月 A判80頁)

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  2020年11月11日、大阪市民は、「大阪市廃止・特別区設置」の是非を問う2度目の住民投票に、17,167票の差をつけて、大阪市廃止=「都構想」否決の意志を示した。

 本記録は、都構想反対の多様な市民運動が展開された中、「明るい民主大阪府政をつくる会」・「大阪市をよくする会」合同の「共同闘争本部」が発刊した、オールカラーの記録集である。この歴史的な市民運動の記録が、「大阪市民の良識と共同による歴史的勝利」として、両会が作成し配ったビラやポスター、バナーなどの膨大な宣伝物、一方の推進派=維新の会・公明党の宣伝物、新聞論評などを記録として残し、市民(府民そして、民主主義を守ろうとする広範な人たち)と共有できるようにしたことの意義は、社会運動史的にも大きいと言える。知恵を絞った沢山のビラの中でも、難波橋のライオン像が「大阪市なくなってほんまにええんか、よー考えてや ライオン」と吠えているビラ(長谷川氏イラスト)は、特に印象に残る。「反対」を押しつけるのではなく、真実の情報を伝え続ける「情報提供型」の宣伝に徹したと、さらに、「なんかせなアカン」という市民の自発的な行動参加が目立ったことも特徴として記録されている。

 維新の会の「都構想」にかける企図と白々しい宣伝もさることながら、住民投票の中立性を保障しなければならない「行政の公平・中立性」をかなぐり捨てた暴挙も記録として残さなければならない。(伍賀 偕子<ごか・ともこ> 元「関西女の労働問題研究会」代表)

 

 なお、エル・ライブラリーでは「都構想」をめぐる住民投票に関する資料を後世に残すべく、反対運動に立ち上がった市民グループの「大阪・市民交流会」(平松邦夫・中野雅司共同代表)が収集・発行したチラシや宣伝物なども同会から受贈しています。

 賛成反対両派の記録をアーカイブすることが資料機関としての使命です。さまざまな団体・グループ・政党・労組などがかかわったこの運動については、さらに資料を収集していく予定です。大阪・市民交流会の資料については未整理なので、閲覧ご希望の場合はフォームhttps://shaunkyo.jp/contact/から事前にご予約ください(館長・谷合佳代子追記)。