9月2日から6日までの5日間、司書課程で学ぶ学生さんが実習生として当館で図書館実習に励みました。実習先としては公共図書館や大学図書館が選ばれることが多いのですが、エル・ライブラリーのようなレアもの資料だらけの専門図書館を選んでくれた学生さんには感謝しています。館長と館長補佐が実習指導を担当しました。
今年は書庫縮小により大規模な除籍作業を行っているところであり、山場を越えたとはいえまだまだ作業は終わっていないため、いつもにもまして大量の資料移動中で、図書の出納も簡単にはできないという状態です。出納の苦労を実感(重労働)しつつの5日間でした。
当館での実習生受け入れも4年目になり、これまで3人の実習生がその後それぞれの道を歩んでいることを想像しながらわたしたちも日々を過ごしています。1年目の学生さんが司書として勤めているということを仄聞(そくぶん)して、とても嬉しく思います。もちろん実習生全員が図書館に務めるわけではないのですが、ここで学んだこと、苦労したことが何かの役に立てば本当にうれしいです。
実習最終日は図書館ミニ展示を作ってもらいました。一般図書については大量に除籍してしまった後なので、使える資料はほとんどがパンフレットのような薄い冊子ばかりになってしまいました。その分、他館がほとんど所蔵しないレアな資料が使われています。写真は制作者の実習生 S.O さんと、ミニ展示の風景。後ろに写っている黒い大きなオブジェは「MLAK(ムラック)くん立体ポスター」です。これは「saveMLAK」という震災・災害復興支援と情報集約発信のためのボランティアネットワークのイメージキャラクターを使ったポスターで、制作者は渡辺ゆきのさんです。東日本大震災をきっかけに生まれたsaveMLAKというネットワークは今も活動を続けています(このポスターについては後日続報)。
以下は、実習生が作った展示の説明文です。(館長・谷合)
[展示の狙いと資料リスト](実習生S.O)
近頃、あらゆる地方で地震が頻繁に起こっており、つい最近には、日向灘沖で地震が発生し、南海トラフ地震に対する不安が高まりました。そこで、防災意識の見直しが必要だと感じ、今回の展示では、9月が防災月間であるということにちなんで、震災に関する資料を紹介したいと思いました。また、ボランティアや労働組合が携わった救援活動についても知ってもらい、復興や、防災について考える機会にしていただきたいと考えています。
◆展示資料リスト(書誌詳細はリンクをクリックして確認してください)
①DVD
もし今、地震が起きたら : 命を守る備えと退避行動
②図書、パンフレット
防災ハンドブック / 全労済
震災に備える 企業のリスクマネジメント / 労働調査会
大杉栄と仲間たち / 大震災・大杉栄と仲間たち展実行委員会
関東大震災復興における賀川豊彦とその同労者の取り組みに見る地域形成の視座の検討 / 全労済協会
阪神・淡路大震災10周年震災教訓集 / 連合兵庫
災害に強いまちづくりと災害救助のあり方 / 全日本自治団体労働組合
阪神大震災の教訓を活かした環境と安全に配慮した都市・国土計画 / 地球環境関西フォーラム
東日本大震災から1年半・記録と統計分析 / 労働政策研究・研修機構
東日本大震災からの復旧・復興過程と雇用・労働の記録 / 労働政策研究・研修機構
3.11キヲクのキロク: 市民が撮った3.11大震災記憶の記録 / 20世紀アーカイブ仙台
自然災害と市民社会組織の役割 / 公益法人協会
東日本大震災活動の記録 / 情報産業労働組合連合会