エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

無声映画上映会で組合の旗を展示・紹介していただきました

無声映画上映会でエル・ライブラリーが所蔵する「日本労働総連盟映画従業員組合」の旗を展示させていただきました。

エル・シアターロビーでの展示

1935(昭和10)年に制作された組合旗とその解説、当時の労働組合の機関紙(この旗の入魂式の記事など)を展示しました。この時期はサイレントからトーキーへと移行する時代で、活動弁士や楽士などによる労働争議が頻繁に起きていました。

活動写真弁士の大森くみこさんと楽士の鳥飼りょうさん

当日のプログラムは三本。

「迷惑帽子」 1907年、アメリカ 3分 監督:D・W・グリフィス
「血煙高田の馬場」 1928年、日本 9分 監督:伊藤大輔 出演:大河内伝次郎
「猛進ロイド」 1924年、アメリカ 77分 監督:フレッド・C・ニューメイヤー、サム・テイラー 出演:ハロルド・ロイド

 

登壇されたのは

活動写真弁士 大森くみこさん
活動写真弁士 大森くみこ 公式サイト
楽士 鳥飼りょうさん
代表 - 無声映画振興会

 

キュートなお声でさまざまな登場人物を演じ分けられる大森さん。合間に諸々の解説も巧みに組みこんで、なるほど声優とは違う「弁士」なのだと感心しました。

緩急自在に弾きこなされるピアノは哀愁も焦燥も表現していてこれもまた「楽士」のお仕事なのだと感嘆。

おふたりの声や音楽に全く雑味がなく(これは鍛錬と技術によるのだと思いますが)、ただ純粋に映画の世界に没頭した幸せな時間でした(70分があっという間!)。

 

舞台でおふたりが組合の旗や当時の映画従業員たちの労働争議について説明してくださったので、公演後、来場の方たちが旗を見に来てくださいました。

 

上映会を企画された読売新聞わいず倶楽部さんにもいろいろご協力いただきました。

貴重な機会をいただきまして感謝申し上げます。(千本沢子)

「活弁ライブ 新わいず活動写真館」
日時:2024年11月16日(土)
会場:エル・シアター
主催:読売新聞わいず倶楽部
https://ysclub.yomiuri.co.jp/
協力:無声映画振興会
無声映画振興会/学校芸術鑑賞会,活弁・生演奏付き無声映画公演