エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

「炭鉱の記憶と関西」展は6月に関西大学に巡回

 エル・おおさか会場での展示は終了しました。次は展示品を厳選して6月6日から関西大学博物館に巡回します。ぜひご来場ください。
 6月30日までの期間中、日曜は休館(6/11は特別開館)し、10時から16時まで開館しております。6月11日(日)にはシンポジウムも開催します。
5月5日から9日まで盛況裡に終わったエル・おおさかでの展示会では、5日間に会場カンパは30万円弱。来場者は650人を超えました。誠にありがとうございました。

◆入場者数

5/5 154名
5/6 137名
5/7 133名
5/8 103名
5/9 128名

合計 655名

◆会場カンパ

5/5 93,501円
5/6 55,251円
5/7 37,384円
5/8 51,315円
5/9 60,150円

合計297,601円

◆設置・撤収・会場係ボランティア 

 総勢17名 のべ31名

 

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笑福亭仁勇師匠の炭鉱落語を上演

炭鉱の記憶と関西 三池炭鉱閉山20年展

5/5-5/9 10-19時 エル・おおさか(休館なし)

6/6-6/30 10-16時 関西大学博物館(日曜休館。6月11日は特別開館)

いずれも入場無料

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 会期中は展示会場に「交流サロン」が併設されます。これまでにも京都や大阪で数回開催された三池炭鉱の展示には、三池に限らず多くの元炭鉱マンや鉱山労働者、その家族が訪れ、会場のあちらこちらで、炭鉱華やかなりし頃の喜怒哀楽の詰まった会話が聞かれました。ヤマの仕事への誇りを語る人、名簿や写真の中に事故で無くなった友の名を見つけ、ともに働き闘った日々を回想する人、炭住で過ごした貧しくとも人のぬくもりがあった暮らしを懐かしむ人…。ひとり一人がもつ「炭鉱」にまつわる語りに耳を傾け、サロンが世代を超えた交流の場となり、記憶が紡がれていくことを願って。
今回サロンでは「炭住落語」、四ツ山住宅出身者が創作し演ずる「炭鉱紙芝居」など、本邦初!の試みも予定しています。
「炭住落語」は、笑福亭仁勇師匠に依頼した新作落語。師匠が「関連図書を何冊も読み、おもしろいだけでなく、炭鉱や社宅での暮らしを感じてもらえるような作品にしたいと日々改良を重ねました」と語る意欲作、『あの日の炭坑節』。── 時は高度経済成長時代。行け行け!の日本。その光と影を集約した「三池炭鉱」。歴史が与えてくれた教訓は、今、活かされているのか? 主役は、東京オリンピック、三池炭鉱、千里万博で現場作業した七十代の麻雀仲間の松っつあん、竹じい、梅やん。物語は釜ヶ崎夏祭りから始まる──。さて、どんなことにあいなりますやら、乞うご期待!


◎『あの日の炭坑節』上演 5月7日、8日 午後1時〜

 会場:エル・おおさか(大阪府立労働センター)9階

 アクセス:交通アクセス | エル・おおさか

 

展示会の詳細はこちら。

shaunkyo.jp

 

 

新着雑誌です(2017.4.15)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌は閲覧のみです。貸出はできません。

労政時報 3928号 2017.4.14 (201291820)

ビジネスガイド No836 2017.4.10 (201291853)

ビジネスガイド No838 2017.5.10 (201291887)

労働判例 No1151 2017.4.15 (201291194)

労働法学研究会報 No2642 2017.4.1 (201291796)

 

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『大阪安保50年史』

 (安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会 発行/2016年3月26日/A5版 本文330p, 年表27p)

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 本書は、「安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会」と日本共産党の立場から、安保問題への取り組みや国政・地域での選挙などについて述べたものである。また、集会動員や選挙運動を重視し、その叙述に多くの紙幅が割かれているのが特徴である。

 1951年~1964年を「大阪安保の前史」としこれに第1章(15ページ)をあて、続く1965年~2015年の約50年間に各年ごと順番に3~9ページずつをあてており、目次にもそれが明示されている。別冊の年表とあわせ、通史的な読み方に便利な編集になっている。また、各年3~9ページも書かれているということからわかるように、それぞれの時期で特徴あるたたかいが詳細に述べられている。

 長い運動の歴史を振り返るだけでもかなりの労力が必要な作業と思われるが、その過程をわかりやすく読みやすい図書にしてまとめられた関係者の努力は賞賛に値する。

 その一方で、いくつか残念な部分も指摘しておくと、「参考文献」として約1ページがあてられているが、本書と合わない文献もある。たとえば、山川出版の「新版 世界各国史」シリーズの『日本史』はそれ自体は良書だが、叙述対象期間が長すぎ内容も包括的すぎるため、「安保」関連の叙述は全体のほんの一部にすぎない。他方、テーマを「安保」に絞り込んだ文献は、今では入手しづらい機関紙類を除けば二冊、さらに回想録を除けば一冊しか「参考文献」とされてない。適切な書籍はまだまだたくさんあり、もっと採用しても良いのではなかろうか。

 もう一つ残念な点は、誤記が多いことである。

 本書は、独特の時期区分を採用している。「はじめに」によると、
「1 1951―1964年(大阪安保の前史)
 2 1965―1979年(革新高揚期、安保体制への挑戦)
 3 1980―1990年(社公合意・革新統一破壊のもとで)
 4 1991―2010年(安保新段階のもとでの矛盾の激化)
 5 2011年以後   (3・11以後、広範な共同への発展)」
とあり、これがそのまま本書の章立てとなっている。「はじめに」ではその理由も以下のように述べている。

「本書は安保破棄大阪実行委員会の創立を出発点としている関係上、65年以前と以後としました。
 本書は73年の高度成長の終焉を画期としていないことと、1980年を区切りにしているところに特徴があります。…安保体制をめぐる対抗関係を重視したことから、73年ではなく80年を区切りとしました。…80年の社公合意は安保体制のあり方そのものだといっても過言ではなく、以後の政治闘争を大きく左右する役割を果たしたからです。」
 「はじめに」ではまた、「安保体制打破よりも緩やかではあるが、より根源的な課題で、広範な共同をつくりあげる展望が開けてきました」とある。

 本書を編纂する過程で、同会の関係者もこの点について次のように述べている。

「こうした積み重ねがいまの安保法制=戦争法反対の若い世代、ママの会、保守層のみなさんの広大なたたかいに引き継がれていることに、感慨ひとしおです。いま、個人の尊厳をかけたたたかいとして構築されています。労働組合や団体で「安保廃棄」の旗を掲げてきたこととは違います」(大阪安保ホームぺージより)

 今後の「展望」については巻末の2015年の最後にも書かれている。「安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会が50年を経過したもとで、かつてほどの求心力や基盤が弱くなったことは否めない。…安保破棄の課題を自覚的にすすめる大衆組織の意義はこれからも必要である。新しくかつ広範な国民運動に寄り添い参加して、その自らの目的を果たす役割は変わらない。」

 本書は2000円+税で販売もされているので、興味のあるかたはぜひ、「大阪安保」のWebサイトをご覧いただきたい。大阪安保ホームページ (ボランティアN)

 

資料整理ワークショップ「図書館の中のアーカイブズ」満員御礼

 3月18日(土)にエル・ライブラリーの閲覧室をぎゅうぎゅう詰にして、20名の参加でワークショップを開催しました。

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 アーカイブズ資料ってなに? どうやって目録を採るの?
図書館の中の文書資料、本や雑誌以外の雑多なコレクションの扱いに困っている図書館員は多いことでしょう。

 今日のワークショップは、そんなあなたのために(わたしたちのために)、専門家をお迎えして、アーカイブズ資料(文書資料・記録資料)の考え方、目録の取りかたを勉強するものです。

 エル・ライブラリーが所蔵する労働組合資料を使い、少人数でみっちり、楽しみながら資料整理の第一歩を体験しました。

  最初に講師の渡辺悦子さん(国立公文書館公文書専門員)から「アーカイブズとは何か」の講義を受けて、目が点になる人たちがいっぱい! 図書館とアーカイブズは隣接分野ですが、実は全然知らなかった!ということがたくさんあるのです。

 そして、3つのグループに分かれて、実際に「アーカイブ記述」のための「編成」を考えていきます。この編成は組織の運営実態を知らなければ書けないため、労組経験者のアドバイスが大きなヒントとなりました。各班ごとに作った編成はそれぞれが個性的で、どれが正解というものではありませんが、編成を考えていく過程が刺激的で楽しかったのでした。

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 最後に渡辺さんから「正解」を示されて、一同どよめきました。「をを、そういう編成があったか!」と。実はこれも唯一の正解ではないという渡辺さんのお言葉にまたまた一同うなづきながら、「今日は勉強になったわ~!」という感想があちこちから聞こえました。既に早くも「2回目はいつやるのか」「2回目をやってほしい」という希望が殺到しております。

 今回は無料開催しましたが、おかげさまで何人もの方にカンパをいただき、サポート会員にもなっていただけました。ボランティアで講師を引き受けてくださった渡辺様をはじめ、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。また一緒に勉強してまいりましょう。(谷合)

 

 

新着雑誌です(2017.3.29)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌は閲覧のみです。貸出はできません。

労政時報 3927号 2017.3.24 (201291960)

賃金事情 No2736 2017.3.20 (201291986)

労働経済判例速報 2301号 2017.3.10・20 (201291929)

労働判例 No1150 2017.4.1 (201291952)

旬刊福利厚生 No2218 2017.2.28 (201291788)

労働法律旬報 1883号 2017.3.10 (201291846)

労働法律旬報 1884号 2017.3.25 (201291812)

季刊労働者の権利 Vol318 2017.1.25 (201291879)

労働基準広報 No1916 2017.3.1 (201291903)

労働基準広報 No1917 2017.3.11 (201291937)

 

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「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2016受賞記念サミット in 紫波」終了

 3月12日に岩手県紫波町のオガールプラザで開催したサミットは、受賞4館のプレゼンあり、ワークショップあり、祝賀会ありの盛りだくさんな内容で、盛況裡におわりました。

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 「つながるとしょかんとつながる」をテーマに紫波町図書館が主催し、エル・ライブラリーなど受賞館が協力したしたこのイベントは、地元の「岩手日報」(下の写真。3/13付)と「盛岡タイムス」にも記事が載るなど、注目を集めました。岩手県内の図書館関係者のみならず、遠く関東や関西からも(!)参加者が集い、50名によって大いに盛り上がりました。

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 サミットは、紫波町図書館工藤巧館長のごあいさつに始まり、熊谷泉町長の挨拶と続き、受賞4館による8分間プレゼンへと移りました。みなさんさすがに手練れた見事なプレゼンで、各館の運営状況のセールスポイントが語られました。エル・ライブラリーの谷合はマイクを離さない女として有名なので、「しゃべりすぎたら電源落とす」という脅しもあったとかなかったとか言われながら、エル・ライブラリーの東北デビューを飾りました。

 その後は長野県立図書館長・平賀研也さんがコーディ―ネーターとなって、4館のシンポジウムが開催され、「つながる図書館」ってどんなことを実践してきたのか、Library of the Year を受賞してなにがあったか、などを語りつつ、図書館が地域に果たす役割を考えました。

 その後は紫波図書館の工藤館長の案内で館内見学。展示コーナーには受賞館の紹介ポスターを作成してもらっておりました。エル・ライブラリーのコーナーはこんな感じ↓

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  そして、後半は楽しいワークショップ。2館ずつ分けて、それぞれの館が普段おこなっているイベントを再現するという趣向です。

 大賞受賞館の伊丹市立ことば蔵はファシリテーター役の小寺和輝さんが「運営会議」を再現して、紫波町で実施したいイベントをみんなで考えるという話し合いを持ちました。

 オーディエンス賞受賞館の東京学芸大学学校図書館運営専門委員会は中山美由紀先生が、「NDC(図書館十進分類法)」の歌をみんなで歌って、図書館のしくみを学ぶという楽しいワークショップを展開。

 紫波町図書館は手塚美希さんがコーディネーターとなって「こんびりカフェ」を開催。「こんびり」とは農作業の合間におやつを食べて休憩する風習のこと。おやつを食べながら、農家の人のお話を聞くカフェタイムを体験しました。

 そしてエル・ライブラリーは、「史料を読み解こう! 100年前の労働争議嘆願書とパスポートからわかること」と題して、当館の博物資料を使った「歴史講座」を開催しました。みなさん熱心にわいわいとおしゃべりしながらの楽しい講座は大好評でした。

「歴史が大の苦手の私がパスポートのコピーと谷合館長の解説にグッと引き込まれてしまいました。そして、もっと時代背景を読み取りたいという気持ちになっていきました」という感想もいただきました。 

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 このイベントを一回限りのお祭りで終わらせず、全国の図書館の底上げめざして広げていくためには、今後も先進的な取り組みを実践する図書館のワークショップを体験するというのが、一つの案かもしれないと感じました。

 翌日の紫波町めぐりと盛岡街歩きは紫波町図書館の手塚さんに休日返上で一日付き合っていただき、図書館が地元密着でいろんな人とつながっていることを実感した一日でした。紫波町図書館のネットワークと実践に拍手喝采です。農業支援や町おこしに役立つ図書館、地元の子ども達の学びに役立つ図書館。それを実践されている姿に感銘を受け、エル・ライブラリーの活動にも生かしていきたいとあれこれ考えながら岩手県を後にしました。

 このサミットの内容はあまりに盛りだくさんで、すべてを伝えることができないのが残念です。お世話になった紫波町のみなさんに心から感謝申し上げます。(谷合)(新聞記事を除く写真はすべて大門秀幸氏撮影)

このイベントの開催案内記事はこちら:

ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2016受賞記念サミット in 紫波 - エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)