エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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寄贈本紹介

ひびきあう二つの「女工哀史」

当館資料も活用されたエッセイを寄贈いただきました。それは、かの有名な『女工哀史』(細井和喜蔵著、1925年)のもう一人の作者と呼ばれている、高井としをの自伝『わたしの「女工哀史」』について書かれた歴史エッセイです。 著者は元教員の阪上史子さんで…

当館資料を活用した卒業論文が寄贈されました

研究者の論文や博士論文などに当館の資料を活用いただくことは多いのですが、卒業論文ではなかなか使いきれない学生さんもおられるので、これまであまり活用事例はありませんでした。また、たとえ卒論に当館資料を使ったとしても、その結果を報告に来てくだ…

熊沢誠『イギリス炭鉱ストライキの群像』割引販売中

労働経済・労働運動史の泰斗、熊沢誠さんの最新刊『イギリス炭鉱ストライキの群像 新自由主義と闘う労働運動のレジェンド』を、当館内で割引販売中です。 <書誌情報>イギリス炭鉱ストライキの群像 : 新自由主義と闘う労働運動のレジェンド熊沢誠著 旬報社 …

『技術史研究 会誌創刊70周年記念号』

『技術史研究』No91(会誌創刊70周年記念号)現代技術史研究会(2023年12月/B5判210頁) <70周年記念号の目次> 「現代技術史研究会」の会誌創刊70周年記念号の構成は、以下の通りである。 ○巻頭言 後藤政志 ○巻頭論文 老朽化した原発を運転することは大規…

労働映画百選の通信と目録

「NPO法人働く文化ネット」が10年前から始めた「労働映画百選」という企画の集大成といえる冊子が発行されました。一つは労働映画の作品選であり、もうひとつは同NPOが発行している「通信」の合本です。簡単に内容を紹介します。 『労働映画目録海外編(1)…

『闘って正社員になった 東リ偽装請負争議6年の軌跡』

東リ偽装請負争議原告・弁護団編(2023年11月/耕文社/A5判140頁) まず、本書の宣伝チラシ(なかまユニオン作成)から引用しよう。 偽装請負を告発し、2012年改正派遣法の『労働契約申込みみなし制度』で、派遣先での組合員全員の直接雇用・正社員化を勝ち取った…

「知られざる運動家たち(2)桂あや子」

「知られざる運動家たち(2) 桂あや子」(戦後労使関係史余滴 第38回) 仁田道夫 [著](『中央労働時報』1307号28~31頁/2023.9/B5判) 公益社団法人全国労働基準関係団体連絡会が発行する月刊紙『中央労働時報』は、「労使関係と労使紛争の専門紙」として1…

『大阪砲兵工廠新聞記事集成(『大阪朝日編』)』

同題名の『大阪砲兵工廠新聞記事集成』の大阪毎日編は、1/28に本欄で紹介しているが、同著者の久保在久が、続けて大阪朝日新聞に総あたりした労作で、製本はされていないが、データーとしては、毎日編と同程度の記事量が集成されている。上下とも2冊しか作…

『ものがたり 現代労働運動 3』

ものがたり 現代労働運動 .3 / 高木郁朗著 明石書店 2023.7 今回の寄贈本紹介は、当館で5日間の「図書館実習」を経験した学生さんが書いてくれました。これも実習の仕上げの成果です。大変手際よく内容をまとめたうえで、最後に短く本人の感想もつけてありま…

『介護離職の構造―育児・介護休業法と両立支援ニーズ』

池田心豪著(労働政策研究・研修機構 2023年3月 A5版308頁) 本書は、JILPT(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)が、第4期プロジェクト研究シリーズとして、日本が直面する中長期的な労働政策の課題に係る研究の成果を全7冊の単行書として取りまとめた…

『越境と連帯』(社会運動史研究4)

大野光明・小杉亮子・松井隆史 編(新曜社 2022年7月 A5版200頁) 本書は、2018年12月に社会運動史研究の「新しいメディア」をめざして立ち上げられた『社会運動史研究』の第4号で、今回は、「越境と連帯」をテーマにした特集である。 「権力を持たない市政…

もの言う技術者たち 「現代技術史研究会」の七十年

もの言う技術者たち : 「現代技術史研究会」の七十年 / 平野恵嗣著太郎次郎社エディタス, 2023.1 245p 19cm <日隅一雄・情報流通促進賞・奨励賞を受賞> 著者平野恵嗣は1962年岩手県生まれで、共同通信社の記者となり、いくつかの地方局編集部を経て、国際…

玉井金五教授退職記念号(愛知学院大学『経済学研究』10巻2号)

当法人が40年をかけて編纂発行を続けている『大阪社会労働運動史』の第1期(第1~3巻)からずっと執筆していただいている玉井金五先生が2022年3月に愛知学院大学を退職され、その退職記念号がこのたび刊行されました。 玉井先生は社会政策学の泰斗であり、社…

『軍隊と戦争の記憶―旧大阪真田山陸軍墓地、保存への道』

小田康徳著(阿吽社/2022年5月/A5版上製352頁) 著者の小田康徳は「NPO法人旧真田山陸軍墓地とその保存を考える会」理事長で、大阪電気通信大学名誉教授である。2019年にも『旧真田山陸軍墓地、墓標との対話』(阿吽社)を15名の執筆者と共に編纂してい…

『大阪砲兵工廠新聞記事集成(『大阪毎日』編)』

『大阪砲兵工廠新聞記事集成(『大阪毎日』編)』 久保在久著 ([2022]年/私家版/A5判314頁。奥付に発行年月日の記載がないため、発行年を補記した) 「大阪砲兵工廠」とは、大阪城周辺にあった戦前期アジア最大級の兵器工場であり、2019年には事業開始150年…

全国水平社創立100周年記念企画展の図録

前回の「寄贈本紹介」では、創立100年を迎えた日本共産党大阪府委員会から頂いた記念誌を取り上げました。同じ2022年に創立100周年を迎えた団体として忘れてならないのは、「水平社」です。全国水平社は被差別部落の解放を訴えて1922年3月3日に京都で創立さ…

創設100周年記念誌「大阪の日本共産党物語」

2022年に創立100年を迎えた日本共産党大阪府委員会から、記念誌を恵贈いただきました。今年の最後に書影とともに紹介いたします。 日本共産党の創立は1922年7月15日(1921年4月説もあり)です。100周年おめでとうございます。100年を目指して機関紙『大阪民…

石炭研究の博士論文など

早稲田大学の嶋崎尚子研究室の門下生が今春2人そろって博士号を授与され、めでたく当該論文を寄贈してくださいました。おめでとうございます!! 嶋崎先生と研究室の方々とは、当館の2017年展示「炭鉱の記憶と関西」の準備段階からのおつきあいで、わたしは…

祝!「労働関係図書優秀賞」の2著作

当館資料を活用していただく機会も多い、お二人の研究者が揃って「労働関係図書優秀賞」を受賞されました。おめでとうございます! この賞は、JILPT(労働政策研究・研修機構)が授与するもので、JILPTのサイトによれば、「労働に関する総合的な調査研究を奨…

雄別炭砿閉山50年 ~雄別・尺別・上茶路~

『雄別炭砿閉山50年~雄別・尺別・上茶路~』石川孝織編著, 釧路市立博物館. 2022.3 166p 30cm 今回の「寄贈本紹介」は図書館実習生のYさんに書いてもらいました。大学3年生の新鮮な視線で書いてくれた図書紹介です。末尾に、関連資料をリストアップしてもら…

感染症と経営

『感染症と経営 : 戦前日本企業は「死の影」といかに向き合ったか』清水剛著, 中央経済社 , 中央経済グループパブリッシング (発売) 2021.5 2020年3月に始まるコロナ禍にあって、まさに時宜を得た出版と言えるのが本書です。「本書は、戦前の日本社会におけ…

「どっこいショ」と時代を映る

1984年に神戸で生まれた「映画製作委員会」の歩みをまとめたドキュメンタリーを、本作の脚本・構成を担当された三木啓子さん(アトリエエム株式会社代表)から頂戴しました。 映画ファンを自認する谷合なのに、映画製作委員会のメンバーである鵜久森典妙、保…

奈良県教職員組合文書目録 : 科研費研究成果報告書

研究代表者 森下徹 2022.3 434p, 30cmタイトル別名:課題番号18K00949 2018年度~2021年度 科学研究費助成事業 基礎研究(C) 科研費研究成果報告書 奈良県教職員組合文書目録 このたび、写真のような大部な資料目録をいただきました。 本書は科研費を使った研…

『スクリーンに息づく愛しき人びと』

熊沢誠著『スクリーンに息づく愛しき人びと : 社会のみかたを映画に教えられて』耕文社 2022.4 19cm 207p エル・ライブラリーにて割引販売中! 税込み定価1980円→特価1600円!(送料1冊180円) お申し込みは お問合せ - エル・ライブラリー からどうぞ。 不…

当館資料活用成果「産業別労働組合と演劇サークル」

長島祐基「産業別労働組合と演劇サークル ―全損保大阪地協演劇部から劇団大阪へ―」『大原社会問題研究所雑誌』no.762(2022.4) 当館の資料を利用して書かれた論文の抜き刷りを著者から寄贈していただきました。この論文については今年2022年4月に法政大学大…

当館館長が登壇したアーキビスト座談会の記事

2021年12月に早稲田大学で開催された「アーキビスト座談会:アカデミックリソースとしてのアーカイブの現在」に館長谷合佳代子も登壇しました。その様子を文字起こしされた記事が公開されました。 『Intelligence インテリジェンス』no.2220世紀メディア研究…

当館特別研究員の論文「 「無産」から「革新」へ」

『グローバル時代における関西の位置と社会経済問題の解決を考える』関西大学経済・政治研究所 2022/3/22 研究双書 ; 第174冊 ※黒川伊織論文の抜き刷りをエル・ライブラリー内で配布中 当館特別研究員・黒川伊織が関西大学経済・政治研究所の委嘱研究員とし…

『大学的大阪ガイド ―こだわりの歩き方』

当館館長・谷合も筆者の一人である新刊書を紹介します。 『大学的大阪ガイド ―こだわりの歩き方』大阪公立大学現代システム科学域 編、住友陽文, 西尾純二責任編集 昭和堂 2022.4 412ページ 定価2,640円(税込) 「はじめに」において、責任編集者の住友陽文…

メルマガ500号記念プレゼント

このところ、何冊も新刊本を恵投いただいています。そのうち、複数を頂戴した図書について、当館メールマガジン読者にプレゼントします。 本日発信するメールマガジンが記念の500号となります。今からでも読者になっていただければ、500号と501号でプレゼン…

『戦時期日本の働く女たち ジェンダー平等な労働環境を目指して』 

堀川祐里 著(晃洋書房/2022年2月/A5判228頁) 本書は、戦時期の女性の労務動員についての歴史的・実証的研究から、現代にも通じる女性労働者の稼得労働と妊娠、出産、育児に関する課題を照射している。 著者は現在、新潟国際情報大学国際学部講師で経済学…