寄贈本紹介
「大阪空襲被災者・遺族の会」会長・伊賀孝子さん(2022年逝去)から当館に寄託された資料のうち、整理が済んでいなかった資料群の目録がこのたび発行されました。 資料整理と目録作成に取り組まれたのは市民グループである空資研(大阪空襲被災者運動資料研…
今回の寄贈本紹介は、図書館実習に来てくれた学生さんに書いてもらいました。月初めの5日間でいろいろ学んでもらい、最後は図書館展示で締めました。さらにその後、宿題になっていた「図書紹介」にも挑戦しました。以下、実習生による紹介文です。ちなみに実…
ハラスメント対策の原点:根絶するために大和田 敢太著 新日本出版社 2025.6 288p 19㎝ <本書の狙いと構成> 著者の大和田敢太は、1949年福井県生まれで、京都大学大学院法学研究科で単位取得後、パリやリヨン大学等の客員教授を経て、現在は滋賀大学名誉教…
歴史の暗に埋もれた朝鮮戦争下の清水港・山猫スト 大庭伸介著. 梁山泊出版部, 2025.6 44p 19cm 著者・大庭伸介は労働運動史研究者で、1936年浜松市生まれ。労働運動家としての経歴は、1963年に総評(日本労働組合総評議会)の地方オルグ(愛知県・化学産業)…
近代大阪の企業者群像 : 機械工業を中心に / 沢井実著. 大阪大学出版会, 2025.3 294p, 20cm (書影は出版社のウェブサイトよりリンク取得) 著者の沢井実氏は、1953年和歌山県生まれで、東京大学で博士課程を経て大阪大学で経済学博士を取得し、現在は大阪大…
『K2P2白書2024 変わりゆく労働組合の女性と男性-未来を創るヒントはどこに?』 クミジョ・クミダンパートナーシッププロジェクト(本田一成、浅野淳、藤栄麻理子) 2025年3月 書名『K2P2』は、クミジョ・クミダン パートナーシップ プロジェクトの略…
早くにいただいていたのに紹介が遅れましたが、今回は当館の資料を活用して博士論文を書かれた方の単著を取り上げます。それは、奥村旅人『労働学校における生の充溢 生涯教育の空間論序説』(東信堂、2024年12月)です。奥村さんは当館の資料を渉猟し、大阪…
当法人が発行している『大阪社会労働運動史』第10巻の編纂過程で行われたインタビューの活用成果が公開されていますので、紹介します。 それは、次の論文です。 橋口 昌治「ゼネラルユニオンの苦情処理制度 集団的労使関係の構築と個別労使紛争の解決の両立…
2018年にエル・ライブラリーのイベントで講演していただいた杉本弘幸さんの著作を紹介します。 それは2025年3月に発行された、杉本弘幸著『ヨイトマケとニコヨンの社会史 戦後失業対策事業・失対労働者研究序説』小さ子社、です。 ヨイトマケだのニコヨンだ…
【当館スタッフ黒川伊織研究員による新著】 荻野富士夫, 歴史教育者協議会編『治安維持法一〇〇年——「新しい戦中」にしないために』大月書店、2025年3月刊行、定価2200円+税。 1925年4月24日、治安維持法が公布され、5月21日に施行されました。皆さまご存じ…
「発見」された朝鮮通信使 : 在日朝鮮人歴史家・辛基秀の歴史実践と戦後日本 山口祐香著 法律文化社 2024.3 当館の資料を活用していただいた事例として、本書を紹介します。発行から1年近く経ってしまって、ご紹介がすっかり遅くなってしまい申し訳ありませ…
※2025年1月22日追記:配布分は無くなりました。ありがとうございました。 本書を無料配布中です。詳しくは最後の段落をご覧ください。 本書は、大阪府高槻市にある富田町病院院長であった小西弘泰氏の「自分史」です。1937年生まれの小西氏が口述によって自…
労働環境の不協和音を生きる : 労働と生活のジェンダー分析堀川祐里編著 晃洋書房 2024.12 229, 3p 19㎝ 本書は、編者堀川祐里(新潟国際情報大学)を始めとする9名のプロジェクトによる研究結果の集約である。 コロナ禍が顕在化させた「労働環境の不協和音…
※2025年3月31日追記。本書の配布分は在庫がなくなりました。 このたび、NPO法人働く文化ネットから『映画は人の内奥にどう迫れるか 井坂行映画論集』(2024年10月発行、320p)を受贈いたしました。 井坂能行(いさかよしゆき)さんは1941年東京生まれ、日本…
『決断 そごう・西武61年目のストライキ』寺岡泰博、2024年7月、講談社 2023年8月31日。池袋の顔である西武百貨店池袋本店でストライキが決行されました。うだるような暑さの中、「そごう・西武労働組合」「ストライキ決行中!!」のプラカードや「池袋の地に…
「女性・戦争・人権」学会の創始者(1997年5月)で呼びかけ人代表の志水紀代子さんが、2024年2月14日にご逝去された。享年83歳。 9月28日に、「志水紀代子さんを偲ぶ集い」が大阪府高槻市で開催された。居住地の高槻・島本を中心に26名の呼びかけ人によって…
「大賀正行さんを偲ぶ会」―大阪の解放運動の“灯台” 「部落解放運動の理論的主柱であり、中心的な牽引車の役割を果たされた」大賀正行さんが、本年(2024)4月15日に逝去された。享年86歳。 10月5日に「大賀正行さんを偲ぶ会」が大阪コロナホテルで開催され…
『レッド : 先人たちの闘いの成功と失敗に学び現在に生かそう』 大庭伸介著 社会評論社 2024.8 まずは、労働運動家としての大庭さんの長年のご経験に、心より敬意を表します。そのうえで、大庭さんが本書に込められた「現在に生かそう」という願いが、現在の…
この資料集は、一般財団法人石川武美記念図書館の所蔵している女性雑誌のうち、1918(大正7)年から1921(大正10)年までに刊行された、スペイン風邪に関する記事を収集、編集したものである。 スペイン風邪とは、1918年から1920年にかけて、世界規模で流行…
『【特集】教職員組合運動史研究会(TU研)10年のあゆみ』(戦後日本の教職員組合と社会と文化 ; その6)布村育子編集 日本大学文理学部広田研究室 2024年5月154頁 30cm 教職員組合運動史研究会(TU研)は、「労働運動を軸とした日教組像」研究の集大成とし…
五十嵐 仁 『追撃 自民党大軍拡・腐敗政治 政権交代のために』(学習の友社/2024年5月 四六判 132頁) 五十嵐仁(いがらし じん。法政大学名誉教授、大原社会問題研究所名誉研究員/専門分野は政治学、労働問題)による、学習の友社からの単著はこれが5冊目…
本書は科研費プロジェクトの成果として公刊されている報告書シリーズの5冊目にあたります。まず目次を見てみましょう。 第1章 日本教職員組合の大会・中央委員会における議事運営の仕組みの考察 ―1949~70年代について 広田照幸第2章 豊中市の教職員の意見…
『占領軍による人身被害調査資料集 』(第2期)第7巻(六花出版)に当館所蔵資料が収録されました。 復刻された資料名は、 『人間の生命六万円也?! : 占領下の犠牲者を救おう』全国調達庁職員労働組合 1958年発行、という小冊子です。 このシリーズの紹介…
当館資料も活用されたエッセイを寄贈いただきました。それは、かの有名な『女工哀史』(細井和喜蔵著、1925年)のもう一人の作者と呼ばれている、高井としをの自伝『わたしの「女工哀史」』について書かれた歴史エッセイです。 著者は元教員の阪上史子さんで…
研究者の論文や博士論文などに当館の資料を活用いただくことは多いのですが、卒業論文ではなかなか使いきれない学生さんもおられるので、これまであまり活用事例はありませんでした。また、たとえ卒論に当館資料を使ったとしても、その結果を報告に来てくだ…
労働経済・労働運動史の泰斗、熊沢誠さんの最新刊『イギリス炭鉱ストライキの群像 新自由主義と闘う労働運動のレジェンド』を、当館内で割引販売中です。 <書誌情報>イギリス炭鉱ストライキの群像 : 新自由主義と闘う労働運動のレジェンド熊沢誠著 旬報社 …
『技術史研究』No91(会誌創刊70周年記念号)現代技術史研究会(2023年12月/B5判210頁) <70周年記念号の目次> 「現代技術史研究会」の会誌創刊70周年記念号の構成は、以下の通りである。 ○巻頭言 後藤政志 ○巻頭論文 老朽化した原発を運転することは大規…
「NPO法人働く文化ネット」が10年前から始めた「労働映画百選」という企画の集大成といえる冊子が発行されました。一つは労働映画の作品選であり、もうひとつは同NPOが発行している「通信」の合本です。簡単に内容を紹介します。 『労働映画目録海外編(1)…
東リ偽装請負争議原告・弁護団編(2023年11月/耕文社/A5判140頁) まず、本書の宣伝チラシ(なかまユニオン作成)から引用しよう。 偽装請負を告発し、2012年改正派遣法の『労働契約申込みみなし制度』で、派遣先での組合員全員の直接雇用・正社員化を勝ち取った…
「知られざる運動家たち(2) 桂あや子」(戦後労使関係史余滴 第38回) 仁田道夫 [著](『中央労働時報』1307号28~31頁/2023.9/B5判) 公益社団法人全国労働基準関係団体連絡会が発行する月刊紙『中央労働時報』は、「労使関係と労使紛争の専門紙」として1…