エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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熊沢誠『イギリス炭鉱ストライキの群像』割引販売中

 労働経済・労働運動史の泰斗、熊沢誠さんの最新刊『イギリス炭鉱ストライキの群像 新自由主義と闘う労働運動のレジェンド』を、当館内で割引販売中です。

<書誌情報>
イギリス炭鉱ストライキの群像 : 新自由主義と闘う労働運動のレジェンド
熊沢誠著 旬報社 2023.9
207p 20cm

 税込み定価1870円を1700円にて。

 本書は、なぜ今1984年のイギリス炭鉱ストを扱うのか、その理由を巻頭で述べています。これは現代日本の労働組合、そして困難な職場で苦闘苦悶するすべての労働者に向けて送られたメッセージです。

 しかも専門書としての堅苦しさがなく、胸をつかまれるように読ませられる物語です。読み始めたら止まらない、群像劇としての面白さがあります。私も久しぶりに血沸き肉躍る読書体験に感動しつつ本書を読み終えました。

 以下、発行者の労働旬報社のサイトより転載します。

1980年代以降、イギリスでは保守党サッチャー政権による改革が行われ、世界的な新自由主義拡大の嚆矢となった。
その一方で、改革に抵抗し、自らの誇りとコミュニティを護るために闘い抜いた炭鉱労働者とその家族の姿がある。
本書はストライキをはじめ、みずから望ましい労働環境を獲得しようという意識の失われた現代の日本に、イギリス炭鉱ストライキのもつパワーと、連帯の意義を伝える。

◎おもな目次

序章 今なぜ、イギリスの炭鉱ストライキ(一九八四.八五年)の物語を描くのか
第1章 イギリス炭鉱ストライキ(一九八四~八五年)の史的検証
第2章 第Ⅰ期:八四年春 ストライキの拡大と強権の始動
第3章 炭坑夫とはどのような人びとなのか
第4章 第Ⅱ期の苦闘:八四年夏~秋
第5章 ストライキを持続させるムラ・コミュニティ
第6章 第Ⅲ期の軌跡:八四年一一月~八五年三月
第7章 その後の憂鬱な経過
第8章 思想的・体制論的な総括
むすびにかえて
英略語一覧
主要参考文献一覧

 研究会「職場の人権」が主催する、本書の合評会が1月20日に開かれ、私も登壇しました。その動画が来月末ごろには公開予定ですので、公開されましたらお知らせします。(谷合佳代子)