エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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スタッフコラム

アメリカよりローラ・ハイン先生ご来館

11月23日に開催された大阪大学グローバル日本学教育研究拠点主催のイベント「日本近現代史ワークショップ——Laura Heinさんを迎えて」に登壇のため来阪されたハイン先生と、グローバル日本学教育研究拠点副拠点長の宇野田尚哉先生(大阪大学大学院人文学研究…

実習生が作ったミニ展示「児童労働とILO」

9月4日から8日までの5日間、司書課程で学ぶ学生さんが当館で「図書館実習」に勤しみました。通常、実習先は公共図書館や大学図書館が選ばれるのですが、エル・ライブラリーのようなけったいな専門図書館を選んでくれた素敵な学生さんがやってきてくれて、ス…

大牟田市立図書館と三池カルタ館の見学記

6月3日(土)から開催中の福岡県大牟田市石炭産業科学館の展示「社宅のくらしと紙芝居」については、すでにお知らせしました。当館の谷合がオープニング・イベントに参加するため、6月3日に大牟田に参りまして、午後からの紙芝居の上演や講演などを見学して…

れいこちゃん記念文庫で市民活動の支援を

2012年6月6日、エル・ライブラリーのサポーターであった井上玲子ちゃんが11歳で旅立ちました。当館ではれいこちゃんを追悼し、れいこちゃん一家の1年間の闘病を支えた非営利団体の情報を収集発信する、「れいこちゃん記念文庫」を設置しています。 れいこち…

大阪社会運動顕彰塔内の銘板をコリアタウン歴史資料館に寄贈

金文準の銘板を手交(右が伊地知紀子先生、左が当館谷合館長) 2023年4月に開館予定の「大阪コリアタウン歴史資料館」副館長・伊地知紀子先生(大阪公立大学教授)がエル・ライブラリーに来館されました。その目的は、在日朝鮮人労働運動家「金文準」(キム…

市民実行委員と共催した3つのイベントの報告

エル・ライブラリーでは、当館だけの主催で行うイベントもありますが、実は労組や市民団体、個人のみなさんと共に行うイベントもかなりあります。10月から11月にかけては、そのような市民実行委員との共催・協力で行ったイベントが3つありましたので、簡単に…

労働資料協総会・研修会参加記

社会・労働関係資料センター連絡協議会(略称:労働資料協)の総会が10月24日(月)に東京都目黒区の日本鉄道福祉事業協会・労働資料館で開催されました。 24日の総会では提案議事の質疑・採決のあと、各会員の近況報告がフリートークで行われましたが、ここ3…

WEBメディア「paperC」に当館の写真と記事満載

当館の取材記事が、「paperC」という大阪の文化情報を発信するWebメディアに掲載されました! 本紙は2011年11月に設立された「一般財団法人おおさか創造千島財団」の機関紙であり、大阪府内で注目されるアート・カルチャー情報(イベントやニュース)をジャ…

実習生による図書館展示できました!「全国労働衛生週間」特集

当館では去年に続いて、大学生の図書館実習を受け入れています。今年来てくれたYさんが5日間の実習の最後に「図書館展示」の課題に挑戦。見事完成させた展示の写真(↑)をご覧ください。そして、Yさんがこの展示の狙いを次のように述べています。 コロナ禍に…

「70年万博とエキスポ争議」関連資料

「70年万博とエキスポ争議」関連資料目録を作成 ~「2025大阪・関西万博」への対処に活かすために 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする「2025大阪・関西万博」開幕まで、3年を切った。テーマも含めて、開設にいたる膨大な税投資など、開催意義に…

当館で実習した学生さんのコメント

早くも1年近くが経とうとしている、当館初の司書課程実習生受け入れ。昨年9月に同志社大学の学生さん1名に5日間の実習を経験してもらいました。その時の報告が『同志社大学図書館学年報』第47号(2022.3.31)に掲載されています。 実習生は同志社大学全体で52…

れいこちゃん記念文庫の活動

今日6月6日は井上れいこちゃんのセカンドバースデー(お命日)です。れいこちゃんが1年間小児がんと闘い、ついに星になってしまってから10年が経ちました。 エル・ライブラリーのサポーターであったれいこちゃんを悼み、れいこちゃんの闘病を支えたNPO活動を…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

連載最終回です! この連載記事は、翻刻と解説をまとめて近々書籍として発刊いたします。 31. 波紋 『波紋』は、彦根工場で結成された最初のサークルで、会員45名(注1)を擁した若葉会の会誌である。辻󠄀資料には、1954年10月発行の創刊号から1956年4月発行…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

30.サークル誌(2) 人権争議直後に華々しく活動していたサークルは、争議開始後約2年のうちに活動が行き詰まり、多くが解散した。理由としては、サークル活動を行う人と一般組合員との溝、サークルの運営上の問題等が挙げられているが(注1)、一方で、1955~…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

29. サークル誌(1) 辻󠄀資料には、近江絹糸各工場で活動していたサークルが作成したサークル誌が16タイトル41点(重複を除くと38種)含まれている。最も多いのが彦根工場のもので、12タイトル37点(34種)にのぼる。彦根工場のサークル誌はその作成年代、背景…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

28.職場新聞(21)替歌 「うたごえ運動」は、戦後、日本共産党の文化工作の一環として始められたが、その後、1950年代に民主主義を守る運動、平和を求める運動として党派を超えて広がり、大きく発展していった。一方、労働現場でも、サークルや職場で集い、…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

27.職場新聞(20)ふるさと 職場新聞の文芸欄には、ふるさとへの帰省や親きょうだいについての詩や雑感があふれている。 「あいたい かあちゃん台をまわしていると浮んでくるわ母の姿今頃何をしているかしらあのしわくれた手で汗をながして今日も、くわと、…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

26. 職場新聞(19)お笑い 職場新聞には、肩の力の抜けたお笑い記事もある。「運搬車ガールガール「皆様こちらは晒練でございます」おばあさん「あんれまあくさい所ですねえー」ガール「たヾいまから発車致します。皆様気をつけて下さいでは発車―」歌 晒練道…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

25. 職場新聞(18)職場 紡績工場では原料の種類や工程によって仕事の内容が違うため、悩みや辛さも異なっていた。 絹糸紡績晒練職場では、原料を晒練(絹成分を取り出すため、ソーダを入れて煮沸・腐敗させる工程)した後、洗濯するが、これは女性の仕事であ…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

24. 職場新聞(17)楽しみ 彦根工場は琵琶湖が近かったこともあり、ピクニックの記事が多く見られる。 「楽しかったピクニック みんなで遊びに行った うんと大きいニギリ飯を、たんとこしらえて、イモを二貫も持って……。朝の大雨は、私達のピクニックを祝福…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

23.職場新聞(16)男と女 その3 お互いに意識して、男性と女性がフランクに付き合えない職場もあった。特に男性の「からかい」や性的な目線に、多数派の女性は厳重に抗議している。 「ヒューと云うのはひやかしではない 俺達深夜番(注1)は君達先番(注2)の人…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

22.職場新聞(15)男と女 その2 結婚も当然、みんなの関心事である。 田舎にいるときは考えられなかった、職場での恋愛結婚に憧れる記事も少なくない。 「結婚は彦根で かぼちゃに恋人を‼ 彦根も住めば都さ、私も絹糸に恋人でもいたら、職場結婚するんだけど…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

連載第21回 職場新聞(14)男と女 その1 職場新聞は、ラクガキ帳に自由に書かれた内容を編集したものである。従って、今まで紹介してきたような職場の仕事の様子や労働者としての課題・要求のようなものの他に、日常生活についての、小さな呟きや悩みのよう…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

連載第20回 職場新聞(13)『ぼこぼこ』その2 『ぼこぼこ』には、機械や設備への不満が多い。 「クリヤラー台はごめんだ!! クリヤラには、二度とつきたくない。早くクリヤラーのボロ台をなくしてほしい。クリヤラーの為に、実は毎日泣かされている。今ごろは…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

連載第19回 職場新聞(12)『ぼこぼこ』その1 『ぼこぼこ』創刊号1面 『ぼこぼこ』は、綿・スフ紡績精紡職場の職場新聞で、1956年7月に創刊され、辻資料には、創刊号から10号までが収められている(9号欠号)。 精紡は綿・スフ紡績で前工程で製造された粗紡…

専門図書館交流会の参加記

10月18日(月)にオンラインにて専門図書館協議会主催の「公開専門図書協議会」に参加しましたので、概要を報告します。 これまで、この種の交流会は東西(東京・大阪)で年に1~2回ほど定期的に対面形式で開催されていました。しかし、新型コロナの影響もあ…

大阪社会運動顕彰塔の清掃

清掃作業の前に黙とうを捧げ、顕彰塔の由来について話を聞く 1970年に大阪城公園内に建立された「大阪社会運動顕彰塔」は、戦前・戦後、そして現在に至るまで、大阪の社会運動・労働運動に貢献された方々を顕彰するモニュメントです。昨年、コンクリートの耐…

アーカイブズの公開をめぐる課題について考えるシンポに登壇しました

2021年10月10日(日)に開催された、 公開シンポジウム「市民が作る・市民が使うアーカイブズ——アクセスをめぐる課題」に館長谷合が登壇しました。 このイベントは立教大学共生社会研究センターが主催し、当館などが共催したものです。このブログでもご案内…

所蔵資料紹介~辻󠄀保治資料(近江絹糸紡績労働組合関係資料)

連載第18回 職場新聞(11)『じんし』その2 男子の深夜労働(22時30分~翌朝7時15分)は、人権争議前の1952年、彦根工場仕上.精紡の2つの職場で最初に導入され、綿.スフ紡績の全工程に拡大された。当初は昼番と深夜番の二交替制であったが、翌年には深…

図書館実習生のミニ展示です

エル・ライブラリーではこれまで博物館実習やアーカイブズ実習は受け入れたことがあるのですが、図書館実習は初めてでした。こちらも初体験なら、実習にやってくる学生さんはもちろん初体験。一生に一度しかない学生としての実習体験がエル・ライブラリーみ…