実習生が作ったミニ展示「児童労働とILO」 - エル・ライブラリー（大阪産業労働資料館）

　9月4日から8日までの5日間、司書課程で学ぶ学生さんが当館で「図書館実習」に勤しみました。通常、実習先は公共図書館や大学図書館が選ばれるのですが、エル・ライブラリーのようなけったいな専門図書館を選んでくれた素敵な学生さんがやってきてくれて、スタッフ約2名（館長と館長補佐）は大喜びしていました。

　実習最終日は図書館ミニ展示を作ってもらいました。写っているのは実習生K.Iさんと、ミニ展示の風景。以下は、実習生が作った展示の説明文です。（館長・谷合）

[展示の狙い]

　今回の展示では、「児童労働とILO～歴史と現状～」をテーマとして設定しました。

　9月から、日本の多くの小・中・高校では新学期が始まります。子どもが労働をすることなく学校に通えることが当たり前となっている今日の日本ですが、広い世界を見渡すと決してそのことが当たり前ではない環境も存在します。展示では児童労働禁止への取り組みを、特に児童労働の禁止が明記されているILO（国際労働機関）条約における条文に焦点を当てつつ紹介しています。

　ILO条約においては、第138号（1973年採択）において「就業の最低年齢」についてが、第182号（1999年採択）においては「最悪の形態の児童労働」についてが、定められています。一方で、いまだこれらの条約に批准していない国々も存在しているのが現状です。展示コーナーではILO条約の条文に加えて、条約未批准国とその背景や先進国及び途上国における児童労働に関わる資料を展示し、世界における児童労働の歴史と現状についての理解を深めることのできる内容となっています。

　日本では新学期の始まる今の時期に子どものもつ権利について、いま一度考えてみてはいかがでしょうか。

◆展示資料のリスト

書誌詳細はリンク先を確認してください。

【図書、冊子】

・「先進国」における児童労働 / 研究所編集日本労働研究機構 2000

http://l-library.tosho-rashinban.jp/bibliography/detail?id=167754

・最悪の形態の児童労働の撤廃 / 国際労働機関,列国議会同盟[編]；[衆議院国際部国際会議課訳] 衆議院事務局 2002

http://l-library.tosho-rashinban.jp/bibliography/detail?id=174738

・國際勞働會議と日本 / 朝日新聞社[編] 朝日新聞社 1924

http://l-library.tosho-rashinban.jp/bibliography/detail?id=172750

・フィリピンの児童労働と観光産業 / ILOフィリピン・プロジェクトチーム編;日本労働組合総連合会訳明石書店 2001

http://l-library.tosho-rashinban.jp/bibliography/detail?id=171109