エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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寄贈本紹介

日韓企業主義的雇用政策の分岐

『日韓企業主義的雇用政策の分岐―権力資源動員論からみた労働組合の戦略』安 周永(あん・じゅよん)著、ミネルヴァ書房、2013年 ★書名は固いが、展開は非常に具体的・実証的でわかりやすい 著者は韓国出身の経営学士・政治学士で現在京都大学法学研究科助教…

レフト〜資本主義と対決する労働者たち

大庭伸介著『レフト〜資本主義と対決する労働者たち 論集■左翼労働運動の総括と展望』2012年、私家版 著者は、「1989年12月、静岡県労働組合評議会(静岡県評)が解体されたとき、静岡県評書記であった私は不当解雇された。帝国主義的な労働戦線の再編成を阻…

共助の稜線―近現代日本社会政策論研究

共助の稜線―近現代日本社会政策論研究 玉井金五(法律文化社) 本書は、20世紀を通じた日本社会政策の検証を通じて、「国家レベルだけでなく、自治体・企業・地域・家族レベルでのダイナミックな展開や交差がわが国の社会政策形成にどれほどの影響力を与えた…

熊沢誠『労働組合運動とはなにか―絆のある働き方をもとめて』

本書は、今日否定しがたい「労働組合運動の衰退」に対して、「労働組合というものの存在意義を、しんどい思いを抱えて働く人々の心に沈殿させようとする『直球勝負』を試みた」(著者「あとがき」)熱いメッセージが伝わる書である。書名にあるように、「な…

近江絹糸人権争議オーラル・ヒストリー (1)(2)

<エル・ライブラリー 労働史オーラル・ヒストラリー・シリーズ>文化集団・サークル活動と人権争議の関係性を証言 近江絹糸人権争議は、1950年代の日本を代表する労働争議であり、夏川社長の封建的労務管理に対して、1954年6月から3ヵ月にわたるストライキ…

『20世紀の片隅で 労働運動40年』 松井 勇(蔕文庫舎)

全国税労働組合の労働運動をスタートに、敗戦直後の労働運動の真っ只中を走りぬけ、解雇後、自治労奈良県本部書記から書記長・委員長に選出され、奈良総評事務局長、連合奈良会長、奈良県労働者福祉協議会(労福協)会長を務めた、労働運動ひとすじの40年を…

元ゼンセン同盟の組織拡大の検証・継承のための3部作

3人のオルガナイザー(佐藤文男・和田正・二宮誠)のオーラル・ヒストリー 本書発行の意図は、「旧同盟系の産業別労働組合でいえば、ゼンセン同盟と全金同盟がもっとも組織化に熱心」であり、「両組織の代表的なオルガナイザーのオーラルヒストリー(口述史…

竹中恵美子著作集(全7巻)

2012年秋に竹中恵美子著作集(全7巻)が刊行された(明石書店)。 これを契機に、「竹中理論」の研究討議が、各方面で始まった。まず、2012年2月2日大阪において、「竹中恵美子著作集刊行記念シンポジウム〜竹中理論の意義をつなぐ〜」が開催され、全国か…

『逃げられない性犯罪被害者〜無謀な最高裁判決』

杉田聡編著/桐生正幸・橋爪(伊藤)きょう子・堀本江美・養父知美/青弓社/2013 (四六判232頁/2000円+税) 定価2100円を1900円の特価にてライブラリー内で販売中です。 本書編著の意図は、― 近年、最高裁が性犯罪に逆転無罪判決を下す事例が相次いだ。そ…

『戦後史のなかの国鉄労使』が交通図書賞奨励賞を受賞

本書については既にこのブログでもご紹介したように、エル・ライブラリー所蔵資料を駆使して書かれたたいへんな労作です。 http://d.hatena.ne.jp/l-library/20120128 『戦後史のなかの国鉄労使』升田嘉夫著 明石書店 その功績に対し、このたび、公益財団法…

紀要論文でエル・ライブラリーに言及していただきました

去年の5月に東京で開催された国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値:企業史料活用の新たな潮流」の内容をまとめた『世界のビジネス・アーカイブズ』が出版されました。 早速、本書の編者である公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センタ…

戦後史のなかの国鉄労使

昨年10月18日の記事(http://d.hatena.ne.jp/l-library/20111018)で紹介した本書について、内容詳細を紹介します。 前回も書いた通り、国鉄の労使関係は複雑怪奇なものです。労働組合が「乱立・四分五裂」し、素人にはとてもわかりにくい経過をたどりました…

博士論文「利潤分配制と社会主義」を頂戴しました

エル・ライブラリーの資料を利用して博士論文を書かれた鈴木啓史さんから、論文を頂戴しました。大学図書館以外では博士論文を所蔵している図書館は少ないので、これも貴重な資料です。 写真のように立派に製本され、中身も430ページに及ぶ大部なものです。…

エル・ライブラリーの「オーラル・ヒストリー」

『労働史・史料研究会オーラル・ヒストリー2』に「大阪エル・ライブラリーの資料について」という記事が掲載されました。 本書は科研費(日本学術振興会科学研究費補助金)を使った調査研究の報告書です。梅崎修(法政大学)、島西智輝(香川大学)、南雲智…

全郵政近畿友愛会の資料を受贈。寄付金つきで

かつて、郵便局に働く労働者で組織されていた「全日本郵政労働組合」(略称全郵政)という労組がありましたが、2007年10月22日に、日本郵政公社労働組合(JPU)と統合し、日本郵政グループ労働組合(JP労組)となりました。 その全郵政の近畿地方の退職者で…

『働きすぎに斃れて 過労死・過労自殺の語る労働史』

本書は春に頂戴したので正確には「新着図書」とは言えません。ご紹介が遅くなって申し訳ありません。 著書自らが「渾身の作」と言うように、過労死に斃れた労働者50人以上の事例を丹念に追った労作です。「過労死・過労自殺の事例研究は結果としてひとつの現…