エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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『小企業・自営業がつくる未来社会―「いのち」と「くらし」のネットワーク』

          
 編者の「一般社団法人 関西中小企業研究所」は2010年6月に設立されている。(理事長=庄谷邦幸、本書では最終章=10章執筆)。
 日本の企業数の8割強を占める小規模企業の大半は、従業者が10人未満の小企業であり、その約6割が個人営業から従業者4人までの事業所である。
産業が「重厚長大型」から「軽薄短小型」に移行し、経済のサービス化・情報化が進み、省資源で環境を重視した持続可能な社会への関心が高まっている時代を背景に、規模の大きさではなく、質の高い経営が注目されるようになり、これまで、小企業・自営業が、零細・低効率・過多であるとされ、その存在(活動)意義については軽視されがちであった風潮が見直されるようになった。(「はじめに」から)

 本書では、このような時代背景の中で、「いのち」と「くらし」を基調にした企業社会に向けて、豊富なフィールドワークをもとに小企業・自営業の実像と特徴を明らかにし、14項目の「政策・施策提言」をしている。

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