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戦後史のなかの国鉄労使

書籍販売情報

 エル・ライブラリーのサポート会員、升田嘉夫さんが国鉄時代の労働運動についての通史を上梓されました。当館に寄贈していただき、さらに特別割引販売もさせていただくことになりました。
 定価2940円→サポート会員特価2650円(非会員2800円)にてライブラリー内で販売します。送付の場合は送料80円をご負担ください。

 国鉄−JRの労使関係は複雑怪奇なものです。労働組合が「乱立・四分五裂」し、素人にはとてもわかりにくい経過をたどりました。国鉄労働組合国労)、国鉄動力車労働組合動労)、鉄道労働組合(鉄労)がその代表的な組合ですが、それぞれの組合史はあっても、国鉄時代の労使関係全体を俯瞰する通史はこれまでものされたことがありませんでした。

 著者の升田さんは国鉄職員として1958年から1985年まで勤められ、一職員の立場から、国鉄時代の労使関係の全体図を描きたいという熱意にかられ、10年以上をかけて本書を執筆されました。当館の資料なくしては書けなかったとおっしゃる升田さんから本書を贈呈された谷合が、著者にインタビューしました。

谷合「これは大変な作業でしたね。ご執筆の動機は」
升田「国鉄の労使関係はとても複雑なのに通史がない。研究者の論文でも全体を通して論じたものがないのです。後の時代の人が見てもいったい何がなにかわからない。とにかく最も基本となる通史を書きたいと思いました」
谷合「これから研究する人にとってはテキスト(教科書)的なものになるような?」
升田「そうです。わたしの立場は組合側でも当局側でもありません。どちらかというと組合から批判が来るかもしれないけれど、とにかく中立の立場で、異なる意見がある出来事についてはすべての主張を取り上げるように書きました」
谷合「年表も作成が大変でしたね。惜しむらくは索引がないことですが」
升田「それは友人知人にも言われました。そこまで力が及びませんでした」
谷合「今からでも作成してネット上で公開するという方法もありますよ。当館のサイト上に掲載して頂いてもかまいません」
升田「ああ、そういう方法がありましたか」
谷合「1987年で本編がほぼ終わっていますが、その後のことも書かれたらよかったのでは? つい先頃国労闘争団が解散しましたし、そこまで書いていただけたらなぁと思いました」
升田「いえ、本書は国鉄時代のことを書こうと思ったので、国鉄解体までで終わりなのです。それにその時期で私自身が退職しましたので、中のことがわかりません。具体性をもって書けないので筆を措きました」

 なぜ今国鉄の労使関係史なのか、という問いに自ら答えて升田さんは本書の中でこのように書いておられます。

なぜ国鉄の労使関係は回復不可能なところまで悪化してしまったのか。なぜ破局を回避し自力で再起できなかったのか。なぜ「国賊」と罵られるまで落ちぶれたのか。その疑問が私を国鉄労使関係史の問題にかりたてたもう一つの動機であった。それが十分に解明できるかどうかはわからない。しかし、経営危機や組織の危機を乗り切るため、労使が真正面から腰を据えた対話を積み重ねていたら、事態は変わっていなかったのかという思いが今も残る。その意味では、とくに1970年代以降国鉄末期にいたる労使関係をたどることは、ひとり国鉄問題にかぎらず、そもそも組織というものの浮沈や荒廃がどのようにして起こり、その命運がどのように決まっていくのかということについて、重要な事例を提供することになるのではないか

 この問いに答えるべく書かれた渾身の労作です。ぜひご購読ください。詳しい内容紹介は後日改めてお届けします。(谷合)

  • 『戦後誌のなかの国鉄労使』升田嘉夫著、明石書店 2011.8 491p
  • 定価2940円→サポート会員特価2650円(非会員2800円)
  • 送料 1冊80円
  • お問い合わせ lib@shaunkyo.jp または電話 06-6947-7722 まで