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高島屋史料館開館45周年記念「きもの讃歌 与謝野晶子と百選会」を見てきました

スタッフコラム

昭和初期に御堂筋が整備されるまで、大阪のメインストリートであった堺筋。大正時代には三越白木屋高島屋松坂屋などの百貨店がこの筋に店を構えていました。今でも当時の面影を残す洋風建築が堺筋にはたくさん残っていますが、そのひとつに高島屋東別館があります。1923(大正12)年に名古屋資本の松坂屋が大阪店として建築したもので、松坂屋天満橋移転(1966年)に伴い、高島屋が購入して現在に至ります。
今ではミナミの端(日本橋の電気屋街の北端)といってもよい場所に、このような端正なビルが残っていることにまず驚かされますが、中に入ってみると当時のアールデコ調の装飾が多数残されていることにさらに驚かされます。現在1階と7階以外は高島屋の事務スペースとして使用されていますが、3階には「高島屋史料館」が設置されおり、高島屋の歴史や所蔵する美術品などの展示が行われています。

高島屋史料館
https://www.takashimaya.co.jp/archives/library/index.html

株式会社設立50周年記念事業の一環として設立された高島屋史料館の開館は1970年。このような早い時期に、百貨店に付随する美術館ではなく、各種資料・史料を収集・保存・展示する「史料館」がつくられたのは創業家を始め、社内に資料を尊重する風潮が強くあったからとのことです。その収蔵品は、美術・工芸品はもちろん言うまでもありませんが、戦前からの内部文書史料なども極めて貴重なものといえるでしょう。

  参考(高島屋史料館の収蔵品を用いて開催された展覧会の紹介記事)
    http://www.asahi.com/event/AIC201008030015.html
    http://mainichi.jp/feature/news/20130917ddf010040009000c.html
    http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/107/159/778/h25/d00125640.html


現在、史料館では高島屋史料館開館45周年記念「きもの讃歌 与謝野晶子と百選会」を開催中(6月30日(火)まで)。
https://www.takashimaya.co.jp/archives/library/information.html

1913(大正2)年に始まった高島屋の呉服催事「百選会」に顧問のひとりとして参加していた与謝野晶子は、流行色の命名や公募作品から選ばれた着物を題材に歌を詠むなど積極的に会に関わっていました。高島屋発行の冊子や図録に掲載され、キャッチコピーとして用いられたこれらの歌は晶子の全集などに採録されることなくこれまできましたが、調査が進められ、今回の企画展ではその成果が展示されています。

調査に協力したのは百選会の仕事に関わった元社員の方で、高島屋史料館が所蔵している案内はがき・パンフレット・趣意書・グラフ・原稿などを用いて調査は行われたのですが、保存されていた資料が研究に活用され、その成果がまとめられ、関連現物資料を活用して企画展が開催されるというアーカイブズとしての特性が存分に生かされた企画かと思います。


(前期(5月16日(土)まで)会場の様子)

企画展では百選会創設100周年にあたる昨年2014年に復刻制作された与謝野晶子の歌に関連する着物や帯13点が展示されていて大変華やか(百選会に寄せた晶子の歌は題材ゆえか非常に色彩感にあふれています)です。また、現存するレコードからデジタル音源化した「百選会小唄」(1932年)を会場で視聴することもできます。(千本)

高島屋史料館開館45周年記念「きもの讃歌 与謝野晶子と百選会」
会期:4月6日(月)〜6月30日(火)(前期4月6日(月)〜5月16日(土)、後期5月18日(月)〜6月30日(火))
開館時間:午前10時〜午後6時(前後期ともに最終日は午後5時閉館)
休館日:水・日曜日
入場料:無料
TEL:(06)6632-9102