エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

エル・ライブラリーの活動を掲載

 ご報告が遅れてしまいましたが、当館の活動について館長谷合佳代子が執筆した記事が掲載された雑誌が、この年度末に続けて公刊されました。また、当館の広告が掲載された学術雑誌も発行されたので、紹介いたします。

f:id:l-library:20180608185704j:plain

 上の写真左から、

・ポスターセッション「炭鉱の記憶と関西 三池炭鉱閉山20年展」の報告 『全史料協会報』No.103 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会発行

・個性が生きる場としての労働アーカイブズ:エル・ライブラリーのボランティア 『記録と史料』第28号 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会発行

・エル・ライブラリーサポート会員募集中! 『Intelligence インテリジェンス』vol.18 20世紀メディア研究所発行、文生書院発売

 

f:id:l-library:20180608185901j:plain

  そして内容は。

 全史料協の機関誌とニュースレターの両方に同時に掲載されることになったのが、当館の活動の一端を紹介するものです。

 『記録と史料』では特集「ボランティアと歩むアーカイブズ」の中の一つの記事として掲載されています。ここでは当館のアーカイブズ(文書資料)の整理を担っているボランティアスタッフの献身的な活躍を紹介しました。当館には何人ものボランティアスタッフがいるのですが、その中で今回はアーカイブズ担当者に絞って、誰がどんな経緯で当館のボランティアを担うようになり、どんな資料を扱っているのかを述べました。

 「会報」(ニュースレター)に書いたのは、昨秋の総会の折にポスターセッションに参加したときの報告です。

 そして、当館の広告が掲載されている『Intelligence インテリジェンス』は、早稲田大学政治経済学術院の先生方が中心になって編纂されている雑誌です。どれだけ中身が濃いか、今号の目次を紹介いたしましょう。

特集:《貫戦期》の日中映画
「貫戦期における日中映画 ― 歴史/表象の連続と断絶」晏妮
「映画「上海の女」小論 ― 表象の転移と再編」川崎賢子
「『花街』と『春江遺恨』(狼火は上海に揚る) ― 権力・宣伝・文化工作者」邵迎建
「身体的越境と異国情緒 ― 李香蘭の死亡という暗号」王騰飛 訳:田中雄
東映動画白蛇伝』におけるポストコロニアルな想像力 ― その中国表象の歴史的連続性を中心に」秦剛
小特集:ソビエト期の表象と検閲
ロシア革命百年 ― ソビエト期の表象・検閲・インテリジェンスの諸相」吉田則昭
「白昼夢の空間 ― 『全線』に見るソフホーズの形象」本田晃子
【海外研究紹介】 Hiroaki Kuromiya, George Mamoulia, The Euroasian Triangle: Russia, The Caucasus and Japan, 1904-1945 (De Gruyter Open Ltd, Warsaw/ Berlin, 2016) 富田武
 
「銀行労働運動における機関誌の意義と考察 ― 機関誌『ひろば』を事例として」鈴木貴宇
        
エドワード・リリー文書でみる米国の対外情報活動の成立過程 ― OWI 解散から USIA 設立までの〈空白の時期 1945―1953〉を中心に」吉本秀子
第二次世界大戦中の米・英・豪・加軍による対日言語担当官の養成」武田珂代子
満洲国農村部における宣撫宣伝活動に見る複数メディアの利用実態」王楽
        
【英語論文】Use of Chinese Women in Japanese Military Intelligence Operations 山本武利

  この中でも当館と最も関連が深いのは鈴木貴宇さんの「銀行労働運動における機関誌の意義と考察 」です。鈴木さんは銀行労働運動研究会の機関誌『ひろば』を不二出版から復刻出版されます。1951年に創刊された『ひろば』は約50年間発行されて2000年に終刊を迎えました。「『ひろば』が持つ最大の価値は、「青婦人部」という青年と女性組合員の活動の中から生まれた点にある」と鈴木さんは述べています。

 2018年6月から配本が始まる復刻版には第1号~第300号(1951年~1964年)が収録されます。楽しみですね。(谷合佳代子)