暑い熱い先週のこと(今週も暑いですが)、6月に移転したばかりの部落解放・人権研究所図書室「りぶら」を訪ねました。芦原橋から弁天町へ引っ越したりぶらは、随分規模も小さくなり、書庫も分散してしまって、その運営はかなり苦労しておられる様子。
本多室長にお話を伺ったところ、以前の「大阪人権センター」を出て民間のビルに移ったわけですが、公的支援がなくなったため、財政的にはかなり厳しい様子。しかし、見た目にはおしゃれで美しいビルなので、「バブリーな所に移ったなぁ」という印象を受けます。
上の写真は一階のエントランスホールに置かれた書架です。開放的でゆったりしたホールには居心地のよいソファがあり、自動販売機もあって、ゆったり本を読みながらちょっと休憩、という気分になれます。とはいえ、猛暑の街から汗をかいて建物の中に入っても、省エネなのか冷房があまり効いていなかったため、ちょっと辛かったです。
まだ移転したばかりで近所の住民にも知られていないようで、せっかくの図書コーナーなのに利用者が少ないのは残念です。
1階は誰でも自由に閲覧できる開架コーナーですがスタッフは常駐していません。事務室と閲覧席は10階にあります。以前の閲覧室に比べてずいぶん狭くなってしまい、蔵書も極端に減っています。大量の資料があちこちの倉庫に分散保管されていて、これらが不自由なく利用できるようになるにはまだまだ時間がかかりそうです。
この状況に対処するため、りぶらでは、資料のデジタル化を進めています。同館は部落史の研究にとって宝の山となる大変貴重な一次資料を大量に所蔵しているので、デジタル・アーカイブ化が進めば、多くの人々が手軽に資料を閲覧できるようになります。
上の写真は、狭い事務室で暑さにめげず奮闘中の本多室長。10階の見晴らしは素晴らしく、ベランダから大阪湾が遙かに見渡せます。弁天町といえば、JR駅前に1962年開館の交通科学博物館があります。ここはわたしが小学生の頃、父に連れられていった懐かしい博物館です。今見ると建物はすっかり古びていますが、鉄道マニアの心をくすぐる展示品がいっぱい。
また、弁天町といえば労働者の町、中小企業の町です。倒産した会社を労働組合が自主管理経営したことで有名な「田中機械」も、りぶらのベランダから見ることができます。(谷合)
部落解放・人権研究所図書室「りぶら」
http://blhrri.org/ribura/ribura.htm