エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

ブログ記事の引用転載を希望される方は、https://l-library.hatenablog.com/about をご確認ください

『司書名鑑:図書館をアップデートする人々』

 館長・谷合佳代子が雑誌『ライブラリー・リソース・ガイド』の「司書名鑑」シリーズのインタビューを受け、記事が掲載されたのは2014年2月のことでした。そしてこの度、このシリーズを再録し、さらにインタビュイー31人全員が当時を振り返って今思うことを追記する図書が上梓されました。

 その名もずばり、『司書名鑑』。全国のさまざまな館種・業界で働く「ライブラリアン」が取材対象となっていますが、実は全員が図書館員というわけではないのです。図書館情報学の研究者、システム開発会社の営業担当、地方議員やウィキペディアの編集者も登場します。

 この本はどこから(誰から)読んでもいいので、興味を惹かれる方の記事から読んでみてください。当時の肩書と現在との違いを見るのも興味深いです。ちなみに谷合は10年前も今も変わらずエル・ライブラリー館長です。変化のない人生だなあ…と嘆息。

 巻末に編者によるテキスト分析が掲載されていて、この名鑑に載っている31人の言葉から特徴をつかみだす過程が面白いです。

https://www.hanmoto.com/bd/img/9784787200815_250.jpg

 では、その華麗なるラインナップをご紹介しましょう。名前の後ろの[ ]内はインタビュー当時の所属・肩書です。

 

司書名鑑 No.1
井上昌彦[関西学院 聖和短期大学図書館]

司書名鑑 No.2
谷合佳代子[大阪社会運動協会/大阪産業労働資料館エル・ライブラリー]

司書名鑑 No.3
谷一文子[海老名市立中央図書館/図書館流通センター

司書名鑑 No.4
嶋田 学[瀬戸内市新図書館開設準備室]

司書名鑑 No.5
大向一輝[国立情報学研究所

司書名鑑 No.6
磯谷奈緒子[海士町中央図書館]

司書名鑑 No.7
柳 与志夫[東京文化資源会議事務局長]

司書名鑑 No.8
是住久美子[京都府立図書館]

司書名鑑 No.9
平賀研也[県立長野図書館長]

司書名鑑 No.10
佐藤 潔[図書館総合展運営委員長]

司書名鑑 No.11
山崎博樹[前・秋田県立図書館副館長]

司書名鑑 No.12
小嶋智美[インディペンデント・ライブラリアン]

司書名鑑 No.13
小林隆志[鳥取県立図書館支援課長]

司書名鑑 No.14
関 乃里子[ブレインテック]

司書名鑑 No.15
宮澤優子[飯田市立川路小学校・三穂小学校司書]

司書名鑑 No.16
手塚美希[岩手県紫波町図書館主任司書]

司書名鑑 No.17
岡部晋典[博士(図書館情報学)]

司書名鑑 No.18
有山裕美子[工学院大学附属中学校・高等学校国語科教諭・司書教諭]

司書名鑑 No.19
伊藤 遊[京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム研究員]

司書名鑑 No.20
Asturio Cantabrio[ウィキペディアン]

司書名鑑 No.21
内田麻理香サイエンスライター/サイエンスコミュニケーター]

司書名鑑 No.22
清田陽司[LIFULL AI 戦略室主席研究員/博士(情報学)]

司書名鑑 No.23
茂原 暢[渋沢栄一記念財団情報資源センター/センター長、専門司書]

司書名鑑 No.24
福島幸宏[東京大学情報学環

司書名鑑 No.25
佐藤 翔[同志社大学免許資格課程センター准教授]

司書名鑑 No.26
相宗大督[大阪市立図書館/日本図書館協会認定司書]

司書名鑑 No.27
岡崎朋子[須賀川市中央図書館司書]

司書名鑑 No.28
真野理佳[西ノ島町コミュニティ図書館いかあ屋司書]

司書名鑑 No.29
盛 泰子[伊万里市議会議員]

司書名鑑 No.30
額賀順子[特定非営利活動法人男木島図書館理事長]

司書名鑑 No.31
乾 聰一郎[奈良県立図書情報館図書・公文書課課長]

「司書名鑑」を読み解く――AIテキスト処理から 岡本 真

岡本 真(オカモト マコト)

1973年、東京都生まれ。アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg)代表取締役、プロデューサー。ヤフーで「Yahoo!知恵袋」のプロデュースなどを担当し、2009年に起業して現在に至る。日本各地で図書館のプロデュースに関わる。

司書名鑑   図書館をアップデートする人々
岡本 真(編著) 青弓社 2022.11
A5判  340ページ 並製
定価 3000円+税

解説
知のアーカイブである図書館は、司書を中心に多様な人々に支えられて、地域と図書館をつなげる実践や情報発信をおこなっている。司書、学芸員、研究者、行政担当者が連携して、それぞれの役割を拡張させながら図書館をアップデートし続けている。

図書館を支える人々は、どのような思いで業界に足を踏み入れ、日々の仕事に向き合っているのだろうか。また、図書館ではどのような人が、何を目指して活躍しているのだろうか。

本書は、若手・中堅として活躍するライブラリアン31人にインタビューをした雑誌「ライブラリー・リソース・ガイド」(LRG)の人気連載をまとめ、現在の思いをつづる書き下ろしのエッセーや論考も所収する。ライブラリアンがもつ情報や知識への考え方、彼/彼女たちの生き生きとした表情を描き出す一冊。