4月23日に開講式を迎えた初級講座は、5月21日(日)から本格的な講義が始まりました。こちらは、「社会運動史入門講座」を年間に7回行う、というものです。合間には史跡巡りなども組み込んで、楽しく学ぶという趣旨で行います。今年度の受講生は募集を終えましたが、来年度の参考のために、今期のシラバスを公開いたします(写真はオリエンテーション中の様子)。
講座『大阪社会労働運動史』初級コース シラバス(講義内容)2017年度
担当:黒川伊織 エル・ライブラリー特別研究員
1 労働者の誕生と「天皇制立憲主義」の桎梏[日本資本主義と労働運動・社会運動]
2 社会運動史研究と「貫戦史」[戦前・戦中・戦後の制度的・人的連続]
3 植民地帝国史としての社会運動の貫戦史[宗主国/植民地]
4 賃金から考える労働運動の貫戦史[ジェンダー]
5 労働者・女性によるさまざまな表現の「貫戦史」[サークル運動・戦後文化運動]
6 1968年の問い:ベトナム反戦・大学闘争・戦後民主主義の終焉
7 1968年の遺産:戦争責任/戦後責任・公害・リブ・サブカルチャー
時系列で明治維新から「1968年」までを順次説明するだけではなく、社会運動の主体であるひとりひとりの生に着目した、時間的・空間的広がりのある社会運動史の叙述を目指します。講義では、基本的事実関係・重要な出来事・論点を最初に説明したうえで、映像資料や現物資料から人びとの思想や運動のスタイルを考えていきます。
★映像資料(予定)
・1921年、「神戸三菱川崎大争議」
・1929年、「山宣渡政労農葬」
・1935年、能勢克男「飛んでいる処女」
・1937年、能勢克男「『土曜日』の一周年」
・1954年、大阪文学学校「眼をかえせ」(幻灯)
・1969年、宮島義勇「怒りをうたえ」
・1970年、鬼塚巌「怒れない世界」
そのほか鋭意発掘中
★現物資料については、エル・ライブラリー所蔵の超貴重資料に加え、講師収集の秘蔵コレクションも公開します。