エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)

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新着雑誌です(2020.2.21)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労政時報 3987号 2020.2.14 (201362894)

賃金事情 No2799 2020.2.5 (201363124)

労務事情 No1400 2020.2.15 (201363017)

月刊人事マネジメント 350号 2020.2.5 (201363231)

ビジネスガイド No883 2020.3.10 (201363264)

先見労務管理 No1622 2019.12.10 (201363157)

労働判例 No1212 2020.2.1 (201363058)

労働判例 No1213 2020.2.15 (201363041)

労働経済判例速報 2400号 2020.2.10 (201363066)

労働法学研究会報 No2710 2020.2.1 (201363082)

労働法学研究会報 No2711 2020.2.15 (201363116)

労働基準広報 No2016 2020.1.1・10 (201362928)

労働基準広報 No2017 2020.1.21 (201362951)

労働基準広報 No2018 2020.2.1 (201362985)

旬刊福利厚生 No2285 2019.12.10 (201363140)

旬刊福利厚生 No2286 2019.12.24 (201363173)

旬刊福利厚生 No2287 2020.1.4 (201363207)

労働法律旬報 1951・52号 2020.1.25 (201363090)

 

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図書館員のためのデータベース入門講座、超満員で開催

 2月15日(土)、16日(日)の両日にわたって、10時から18時まで、みっちり講座を開催しました。参加者は図書館員だけではなく、他業種からもあり、助手役も含めて19人が参加する満員御礼の大盛況となりました。

 下の写真は1日目の様子。大向一輝先生のおもしろくてためになる講義を聞いています。f:id:l-library:20200215120049j:plain

<内容>

  • 図書館/NII等のwebサービスを通して、ICT技術の活用事例を知る
  • Webアプリケーションやデータベースを用いた情報システムの仕組みを学ぶ
  • 実習形式で、データベースの構築・管理・利用を学ぶ

 こんなに頭を使ったのは40数年ぶりかも? というぐらい頭がクラクラしました。ものすごく勉強になった「図書館員のためのデータベース入門講座」。ありがとうございました!何人もの方からお土産やカンパや現物寄付などいただきました。そしてなによりも、大向先生の楽しい講義と厳しい実習に心から感謝いたします。

 ↓の写真は二日目の様子。5班に分かれてSQL構文作成に挑戦。それぞれの班で課題を設定してその課題達成のためにSQLを書いていきます。

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 図書館員のスキルアップが、ひいては知のインフラである図書館の営みを確固たるものにし、知識社会を構築していく一助になると考えます。労働図書館であるエル・ライブラリーは、このような、図書館界全体の底上げを目指す取り組みをこれからも続けていきます。(谷合)

『宇田川文海に師事した頃の管野須賀子』

 堀部功夫著(日本古書通信社/2019年/B判321頁)

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  あの大逆事件(1910~11年明治天皇暗殺計画容疑で多数の社会主義者が逮捕・処刑された)で、幸徳秋水ら12名が処刑されたが、そのうち、女性は管野スガ一人のみだった。

 その管野スガについて、「宇田川文海に師事した頃」と限定して、先行研究を丹念に検証した興味深い書である(本名スガ、筆名須賀子以外にもある)。

 著者は、多くの管野須賀子の研究や記述について、戦後発表された荒畑寒村の『寒村自伝』が論証なしにそのまま引用されていることから検証を始めている。

 寒村によれば、須賀子が大阪の小説家宇田川文海に師事して小説家を志し、文海の力に頼って拙い小説が新聞に載るようになって、父と弟妹の一家を支えたが、「やっと一家を支えるだけの金を得るためには、文海の力に頼らねばならなかったと共に貞操をもって払わねばならなかったのである」というくだりである。文海と離れて新聞記者となってからもいろいろな男と浮名を流すようになって、「そういう生活に対する反省と反撥とから、キリスト教徒となって大阪婦人矯風会の林歌子女史に引き立てられ、京都に移り住んで同志社教師の英国婦人に日本語を教えていた」と記されている。寒村自身も一時期須賀子と内縁関係にあり、大筋は須賀子の直話に発している。

 以降、1950~60年代の何人もの管野研究を検証しているが、「寒村記述の影響は大きい」と跡付ける。その一つに、神崎清(1950)は『寒村自伝』が「スガの思い出を描くにあたって、妖婦性だけを一方的に強調し、彼女の革命性を語らなかったのは極めて遺憾であった」と。

 また、清水卯之助が、須賀子の伝記研究上画期的な仕事を残していると指摘。須賀子が大阪天満教会で受洗したことを、「大阪天満教会百年度」に見つけ、受洗年月日は、明治36年11月8日であることをはじめ、根本史料および関係諸新聞の徹底調査による須賀子伝を発表しはじめ、『菅野須賀子全集1~3』を編集刊行する。

 須賀子の革命性を、荒木傳と大谷渡が追求する。荒木傳「情炎の革命婦人・菅野須賀子」(『大阪新報』1980年のち『なにわ明治社会運動碑』柘植書房/1983年)がそれである。

 そして、大谷渡は『菅野スガと石上露子』(東方出版/1989)である。「管野スガは宇田川文海の妾などではなかった」と断言する。二人は子弟関係であって、宇田川の思想=民権左派の思想が、彼女をキリスト教徒へ、ついで社会主義へと向かう導火線となったのであると。寒村著作およびそれを基礎とする従来の伝記的研究にみられる須賀子像を「虚像」と一蹴する。また、社会主義運動に入る以前の管野が草分けの女性記者として、『大阪朝報』で縦横に筆をふるった事実を綿密にあとづけて、管野像を豊かなものにしたと。

 しかし、著者堀部は、「妾などではなかった」説は、― 学的検討の未だ行われていないうちに、市民権を得てしまった― と述べている。大谷自身の以前の記述では、「愛人であった」と書いているのに、根拠と自己批判なしに自説を廃棄し転換していることを、「そのまま受け入れることは出来ない」と批判している。ただ、「寒村の須賀子妖婦性強調は、二人が恋に落ちた田辺時代以後のことなので、文海師事時代に限る拙著はこの点に深入りしない」と。

宇田川文海の思想についても、「女性解放論者・文海」説の検証も、天理教誌『みちのとも』での廃娼運動賛成論やその後の論述を挙げて、須賀子からの影響が強いのかの検索もなされているが、字数の関係上省略する。

 本書が大部なのは、発見された須賀子著作の、『岐阜日日新聞』に掲載された(明治37年)「白百合」と「理想郷」の復刻版が付録として収録されているからである。当時の連載がどのようなものであったかを実際に見ることが出来て、とても興味深い。

 著者の研究手法は、先行研究を鵜吞みにせず、探書、訪書、蒐書に徹していることが、歴史を紡ぐ事業として、学びたい姿勢である。(伍賀 偕子<ごか ともこ> 元「関西女の労働問題研究会」代表)

 

『炭都と文化-昭和30年代の三池・大牟田-』第3版発行されました

 2018年7月に紹介した『炭都と文化 昭和30年代の三池・大牟田』は、長らく在庫切れとなっておりましたが、このたび内容を追加して第3版が限定200部出版されました。

 ※内容詳細は↓

http://l-library.hatenablog.com/entry/2018/07/21/000000

 書店では入手困難ですので、ご希望の方は直接発行元にご連絡ください。

 税込み・送料込み1冊3000円。

連絡先:炭都三池文化研究会・鵜飼雅則(メールにて omutaukai◆gmail.com まで。◆を@に変えて送信してください) 

 

追加情報:大牟田市内の以下の場所でも販売しています。

 大牟田市石炭産業科学館、古雅書店、 taramu books & cafe、 Gallery Cafe Viridian(びりじぁん) 、積文館書店 ゆめタウン大牟田店、 麒麟書店 ほか

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新着雑誌です(2020.2.7)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

 

賃金事情 No2798 2020.1.5・20 (201362944)

労務事情 No1399 2020.2.1 (2012362977)

人事実務 No1205 2020.2.1 (201362910)

企業と人材 No1084 2020.2.5 (201362886)

ビジネスガイド No882 2020.2.10 (201363009)

月刊人事マネジメント 349号 2020.1.5 (201362860)

労働経済判例速報 2397号 2020.1.10 (201363025)

労働経済判例速報 2398号 2020.1.20 (201362829)

労働経済判例速報 2399号 2020.1.30 (201362852)

賃金と社会保障 1745・1746 2020.1.25 (201363033)

労働法律旬報 1950号 2019.12.25 (201362837)

 

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『カレチ』全5巻

池田邦彦(講談社 モーニングKC/総ページ数1150頁) 

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 このコミックは講談社『モーニング』の2009年14号~2013年31号に不定期連載され、2011年1月~2013年6月には毎月1度連載されたもので、最終巻5巻を除いては一話読み切り形式である。第5巻の発刊は2013年8月である。

 書名のカレチとは長距離列車に乗務する客扱専務車掌を指す、国鉄内部の呼称である。

 「国鉄」といっても、国有鉄道時代を知らない世代も多く、国鉄が解体してから約20余年以上経ってからの連載である。

 1965(昭和40)年生まれの作者が、ものごころついた頃から目にしていた鉄道の姿を、「鉄道をめぐる人々のドラマ」を描きたいというのが動機であると述べている。

1巻~4巻までは、世界に類のないほどに「定時」に「安全」に走らせるという国鉄職員の誇りを、各職種にわたってとり上げ、“名人芸”、“職人芸”、“神業”ともいうべきこだわりと、それを成し遂げるための涙ぐましいドラマがくりひろげられている。

 主人公は大阪車掌区の「荻野カレチ」で、乗客に寄り添ってそのニーズに誠実に応える任務を遂行しながら、職種を越えて国鉄を守る誇りある人々との交流の中で成長を遂げ、自信を獲得していく。独特の専門用語も乗客第一の荻野カレチの目を通して語られるので、わかりやすく、日本の国鉄が「犠牲」も含めてどのように人びとの研鑽努力の積み重ねの総和で守られていたかが伝わる。ただし、国鉄職員という時、「臨時工」的位置の、今で言う非正規労働者がどのような役割を果たしていたのかの描写はない。

 しかし、国鉄という“職場”をめぐる人間ドラマを謳いあげるだけでは済まない時代背景が4巻あたりから、そして5巻では、「国鉄分割民営化」がもたらした現実が描かれる。

 作者が「分割民営化」の背景をどうとらえていたかは、― この時代は実は、いわゆる“懐かしい昭和”の価値観と、現代の価値観が混在してぶつかり合った時代だった事がわかってきました。公害や石油ショックをはじめ当時世間を騒がせた問題の多くは、そのあらわれだったと思います。国鉄も例外ではなく、莫大な赤字、過密ダイヤ、そして先鋭化する労使問題などで満身創痍となり、ついには、分割民営化という形で終焉をむかえました― という解説(見返し)から推し量れる。

 中曽根元総理が昨秋逝去して、彼の“戦後政治の総決算”という掛け声のもとに仕掛けられた“功績”がメディアを賑わしたが、「国鉄分割民営化」はその最たるもので、戦後民主主義を築く役割を担った総評運動、その中核部隊の一つであった「国労」をつぶし、総評・社会党ブロックを解体させたことは、否定できない歴史的事実である。

 作者が、国鉄における労働問題、労使関係をどう捉えていたかは、はっきりは推測できないが、主人公の荻野カレチを、「助役補佐」に昇格させ、職員30万人を20万人に減らす大合理化の強行を第1戦で執行する立場に立たせることで、国鉄を守ってきた労働者の誇りと仲間の信頼関係がどのように破壊されていったかに、リアルに迫っている。1987年4月、国鉄が116年の歴史を閉じ、7社のJRに移行した日、主人公の荻野は辞職し、関わってきた多くの人々を思い描きながら、泣きくずれる姿で物語は終わっている。

 彼は何を守りたかったのか、「先輩や後輩との信頼関係の中で成長していける“職場”を守る、そんな“職場”なくして鉄道の安全は守れない」と語る。

 国鉄が解体してから約20余年後に、真正面から「国鉄分割民営化」問題に向きあい、関わった人々の人間ドラマを描くことで、歴史の検証に重要な問題提起をしたことに敬意を表したい。

 付言するならば、国鉄内部から見た「国鉄分割民営化」問題の描写は真摯にリアルに展開されているが、乗客、国民からみたそれは如何なることだったのか。分割民営化に反対する国鉄再建署名が3514万筆も集約されたという、署名運動史上例にない国民的批判が示されたこと、これも歴史の重大な事実であったことを述べておきたい。(伍賀偕子〈ごか・ともこ〉、元「関西女の労働問題研究会」代表)

               

新着雑誌です(2020.1.28)

今週の新着雑誌です。

新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。

労政時報 3986号 2020.1.10・20 (201362845)

労務事情 No1398 2020.1.1・15 (201362878)

労働判例 No1211 2020.1.・15 (201362902)

旬刊福利厚生 2283号 2019.11.12 (201362936)

旬刊福利厚生 2284号 2019.11.26 (201362969)

月刊人事労務 371号 2019.12.25 (201362993)

 

詳細な目次はこちら

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